インタビュー

INTERVIEW(3)——いっしょにやりたい相手とだけやれた



いっしょにやりたい相手とだけやれた



――思ったよりゲストの参加もありますね。

「メンバーはもちろんだし、自分がいっしょにやりたい相手だけを選びました」

――MARIAさんが歌うとやっぱりSIMI LAB感があって良いなと思ったりもしますし、今回は特にJUMAさんがすごい良くて。“Rapper Ain't Cool”は余裕のある感じでかっこいいし。

「けっこう曲者だなと思って。いい意味でチャラくて。こう言うと語弊があるかもしんないですけど、巧すぎないっていうか。全然うまいわけではないと思うんですけど、格好良くラップできるなと思いましたね」

――かっこつけてるのがかっこついてる感じというか。

「アルバムに入るってことで、畏まっちゃったんだと思うんですけど(笑)。もっとヘラヘラした部分もあるから〈そのままでいてくれよ〉とも言ったんですけど、本人にすれば俺だってたまには真面目なことぐらい言うんだぜぐらいの気分かもしれないです。やってくれましたね」

――そのJUMAさんといっしょに“Against Gangsta”に参加してるDIRTY-Dという人は?

「田我流さんの変名なんですよ」

――曲調もあってかなりハードですね。

「ポリティカルなラップをする時の名前らしいんですけど、キレキレですよね。田我流さんとはやりたかったけど、今回はあんまり客演を売りにしたくなかったから、変名だとなおさらいいなと思って」

――とか言って、もう原稿にしてしまうのですみません。あと、“Perfect Vision”に参加してるDOMU YORKというのは?

「家が近い友達で、あんま顔出さないですけど、一応SIMI LABのメンバーで」

――名前はトム・ヨークから取ってるんですかね?

「根暗な奴ですからね(笑)。ラップとかもやる気はなくて、俺がちょっとやってよって言って今回やっとやってるぐらいの」

――あと、最後の“Hustle 2112”ではYUUさんがトークボックスで参加してます。

「GOGO BROTHERS(福岡の著名な兄弟ダンス・ユニット)のメンバーで。DyyPRIDEのソロ・アルバムに入ってて。トラックが出来たとこでトークボックスを入れたいと思って、誰かいるかなと思ったらダン(DyyPRIDE)に教えてもらって。福岡なのでデータのやりとりだったんですけど」

――この曲はDJ ZAIさんのスクラッチもいいですね。あと、“FOG”に参加してるイシューという人は海外のラッパーなんですか。

「E-40の息子さんなんですけど……」

――えっ、ということはドゥループ・Eの……。

「弟ですね。俺はもともとミックステープとか聴いて、かっこいいなと思ってTwitterでフォローしてたんですけど、そしたらSoundCloud経由で俺のビートを聴いてくれたらしくて、向こうから〈ビートやばいね〉ってメールが来たんです。で、これはチャンスだと思って、MARIAに英語とか手伝ってもらって〈じゃあ、いくつかビート送るよ〉って何曲か聴かせた時に向こうが欲しいって言ってきたのが、もうアルバムに入れようと思ってた“FOG”だったんです。それで、〈俺のアルバムでやんない?〉って話に持っていった感じで」

――うまく仕向けたわけですね。

「しかしビックリしましたね。イシューには別でビートも送ってたり、この後も少し企んでいます」

――あと、ILLICIT TSUBOIさんがミックスを担当されてますね。デモの時点でも聴かせてもらってたんですけど、ミックス後は音が全然違っててビックリでした。

「本当にエディットも含めミックスも凄すぎて何も言うことがないんです。〈ここをこうしてほしい〉ってところを言わなくてもわかってくれてて、お願いしたこともすぐにレスポンスしてくれるので本当にやりやすくて。言い過ぎかもしれませんけど、いままで誠意はあっても〈リスペクト〉って感情がなかったんですが、TSUBOIさんは本当にリスペクトって思っちゃいました」


カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2012年10月17日 18:01

更新: 2012年10月17日 18:01

インタヴュー・文/出嶌孝次