インタビュー

これを機にイノヴェイティヴ・レジャーにも注目すべし

 

ノサッジ・シングの移籍先、イノヴェイティヴ・レジャー(IL)ってどんなレーベルなの?と思っている人も多いのではないでしょうか。LAビート・シーンを追っているリスナーなら、レイザー・スウォードの初作『Lazer Sword』(2010年)で何となく気にしていたかもしれませんが、設立から3年で作品数も少なく、まだまだブランド価値やカラーは浸透していないのが現状のようです。とはいえ、〈ストーンズ・スロウ傘下の〜〉と書けばそれだけである程度の引きはありそうですし、プロレス・マスク姿も印象的なテハーノ・ダブステッパーのメキシカンズ・ウィズ・ガンズや、スケーター・カルチャーから人気に火が点いたシンガー・ソングライターのハンニ・エル・カティーブなど、所属アーティストを見ると日本でも人気の人が多く、これは侮れません。

2012年には〈ポスト・メイヤー・ホーソン〉との呼び声も高いニック・ウォーターハウスと、アメーバ・レコードの店員が結成したアラー・ラス(プロデュースはニック!)が、〈レトロ・ヴィンテージ〉人気に乗ってタワレコでもロングセラーを記録。他にもフレディ・ギブス(ミックステープばかりじゃなく、そろそろスタジオ・アルバムを!)やマシーンドラムも、ここから12インチを出しており、かなりの審美眼を持っていることは間違いなさそうです。そんななか、Pitchforkで〈シャーデーmeetsエール〉なんて賞賛されている覆面デュオ(超有名バンドのメンバーから成るそうですよ)のライが、間もなくILよりアルバム・デビューを飾るとか。このレーベルの名前が音楽ファンの間で定着する日も近いはずなので、いまからチェックしておかなくっちゃ!

 

▼関連盤を紹介。

左上から、メキシカンズ・ウィズ・ガンズの2011年作『Ceremony』、レイザー・スウォードの2010年作『Lazer Sword』、ハンニ・エル・カティーブの2011年作『Will The Guns Come Out』(すべてInnovative Leisure)、ニック・ウォーターハウスの2012年作『Time's All Gone』、アラー・ラスの2012年作『Allah-Las』(共にInnovative Leisure)、マシーンドラムの2011年作『Room(s)』(Planet Mu)、フレディ・ギブスの2010年のEP『STR8 Killa』(Decon)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年01月24日 20:45

更新: 2013年01月24日 20:45

ソース: bounce 351号(2012年12月25日発行)

文/山西絵美

記事ナビ