ラティーフのコメント付き! 『IV Love』を全曲解説!
1. Can't Believe It(produced by Fredro)
前々作『Love Is Love』以降のラティーフ作品でもお馴染みのフレドロは、スウェーデン出身のプロデューサー/ソングライター。クリスティーナ・ミリアン、Wonder Girls、マイア、w-inds.など世界中のアーバン・ポップ作品に携わるビッグネームだ。
「前作“Crazy Love”でもやったフレドロとの新作。クラブとかショウで運命の人を見つけられるなんて信じられない、って曲だよ。モールとかもそうだけど、そういう場所で出会った人と本気で愛し合うことが出来るなんて信じられない(Can't Believe It)!って曲」
2. Beautiful Breakup(produced by Certifyd)
プロデュースを担当したサーティファイドは、ジェイとPIの兄弟によるプロデュース・チーム。ラティーフ絡みでは前作『Love Life』収録の“Faithful”や、彼の客演したビーニー・シーゲル“Expensive Taste”を手掛けている。
「真実の愛の曲だね。〈ブレイクアップ=別れ〉でさえも、2人を引き離せない。別れなんてちょっとしたつまづきであって、真実の愛はすべてを乗り越えるということだね」
3. Yes(produced by Kolja)
本文にもあるようにコルジャ・ドミニアックを起用したマイルドなミディアム。NY出身でドイツ在住のエンジニア。プロデューサーとしてもジャスティン・ガーナーやドミニクらの楽曲を手掛け、このあと名を広めていきそうな期待の名前だ。
「女の子と出会うんだけど、彼女は愛することを恐れている。その彼女に、イエスとだけ言ってくれれば、後は僕がちゃんと守ってあげるから。僕に任せて。真実の愛とはどういうものかキミに感じてもらう機会を僕にくれないか、ってことさ」
4. Not 4 Nothin'(produced by Phatboiz)
同郷フィラデルフィア出身のファットボーイズによるメロディアスな逸曲。彼らはミゲルの『Kaleidoscope Dream』やニーヨ『R.E.D.』といったヒット作で力量を見せたばかりで、現在はニーヨ率いるコンパウンドに在籍する注目のトリオだ。
「自分が心から愛し、すべてを捧げるというのは深い意味がある。だから僕を傷つけないでって彼女にお願いしてる曲だね。いっしょにいれば幸せだし、みんなからも羨ましがれる2人のままでいようって。全て意味があるんだってね」
5. Above & Beyond(produced by Fredro)
「何でもする。愛のためならどこへでも行くし、何でもする。僕のキミへの愛にはリミットがあると思ってるなら大間違いだ。無限大の愛をキミに捧げると一生かけて証明し続けるよって。一生愛し続ける、何があっても、って曲だよ」
6. Closer(produced by Syience)
ジェイ・Zに抜擢されて脚光を浴び、メアリーJ・ブライジからシェリル・コール、デライラまで多様な仕事で知られるサイエンスのプロデュース曲。ここでは主役の歌に寄り添うアコースティックな手捌きを聴かせている。
「長い間親友でいて、お互いが傷ついたときも支え合ってきた仲の2人の物語だよ。友達関係から先へ進むのを恐れる人って多いよね。でも、上手くいかないなんて思わないで、友達でありラヴァーの最高の2人になるから大丈夫だよ、って説得してるんだ(笑)」
7. More Than Anything(produced by Calvin & Ivan)
『Love Is Love』以来となるカーヴィン・ハギンス&アイヴァン・バリアスの参加が実現。いわゆるネオ・フィリー世代の筆頭となる彼らはソングライターとしてのラティーフと組む機会も多く、グラミー賞にノミネートされたフェイス・エヴァンス“Gone Already”も彼らとラティーフの共作だ。
「新しい恋人と、こんなふうに感じたことない。ただ抱き合うだけでこんなに気持ちになれるなんて。この世に存在する他の何よりもキミを愛してると言う曲さ」
8. Winner Takes All(produced by Fredro)
「これは本当の別れについての歌。よく言われるのが、上手くいかない恋愛はどちらか一方の思いが強すぎるときだって言うだろ? 本当はそうじゃないんだと思う。ただ、気付いてないだけ。別れた後に、あぁ、自分はこんなに相手の事を思っていたのか。なんで失った今になって気付くんだろうってことのほうが多いと思うんだよ。男だって、女王がいなければ、完全な王にはなれない。実はこのアルバムでいちばん好きなのはこの曲なんだ」
9. Mind, Body & Soul(produced by Ryan Leslie)
ここでプロデュースを担当するのは盟友のライアン・レズリー。キャシーやディディ、ファボラスらのヒットに携わり、2005年には自身もシンガー・デビューを果たしている彼は、モータウン時代のデビュー作からラティーフのアルバムにはすべて参加している。
「この曲は僕の弱さを曝け出してしまった曲なんだよね。でも、恋愛をするうえで恋人にはすべてを曝け出して、正直でいないと上手くいかないだろ? ただ、相手がそれをちゃんと受け止めて大切にしてくれることを願うしかできない。わかるだろ?」
10. Picture Of Us(produced by Battleroy)
LAを拠点にオマリオンやクリス・ブラウンに楽曲を提供し、バッド・ミーツ・イーヴル“Lighters”で大ヒットを掴んだバトルロイがプロデュース。
「アーティストはミューズといるときに名曲を出したりするだろ? プリンスがアポロニアといたとき、“Purple Rain”という名曲を生み出した。この曲はそういうミューズのことを歌った曲なんだ。君は僕のミューズ、僕の才能を高めてくれる。そんな人に出会った、って曲さ。すべてのプロデューサー、ソングライター、アーティスト……クリエイティヴなことをやっている人は、自分のミューズの顔を思い浮かべただけで、新しいアイデアが浮かんだり、仕事が進んだりする。自分の未来にずっといてほしい存在。そんな女性について歌った曲なんだよ」
11. Pump The Breaks(produced by BigCity)
「R・ケリーの“You Remind Me Of Something”って曲あるだろ? 女の子を見て、その子を見ると、クラシックなヴィンテージの車を思い出す。年とってるって意味じゃなくてね(笑)。修理が大変だったり、いつもいじってなきゃいけないかもしれないけど、キミのような女性だったらその価値があるってこと。整備もするし、大切にするのは当然。でもそれ以前に、クラッシーだからこそ、完全に故障(ブレイク)したりしない。僕がケアさえちゃんとしてれば動いてくれるクラシックカーさ、ってね」
12. Fall(produced by Danny Phantom & V-Shawn)
前作『Love Life』で抜擢していたキャヴィアートことダニー・ファントム&V・ショーンのプロデュース曲。全曲を手掛けたフリーEP『Philadelphia Healing』ではソウルフルなR&B作法を見せていたが、ここではアルバム全体のトーンに合わせて清涼なトラックを提供している。
「恋に落ちるのを恐れる人って多いよね。それは過去に傷ついたからであって、愛したくないわけじゃない。だから、そういう人には〈愛してる〉ってことを言い続けていかないと心から信じてもらえないんだよね。僕を信じて、恋に落ちるのを怖がらないで、僕が支えてあげるから、って」
13. Navy Blue(produced by Certifyd)
「美しい夜空(Navy Blue)の物語。星が輝く夜空。夜空に輝く星2つはキミと僕だってことだね」
14. I Love You(produced by Ryan Leslie)
「僕とライアンが昔シェリ・デニスに提供した曲。今回セルフ・カヴァーしたのは、周りから僕のヴァージョンが聴きたいってリクエストが絶えなかったから。うまく歌えてるとは思うし、シェリも僕がやったのを嫌がらないでくれるとは思うんだ(笑)」
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