インタビュー

SUPER☆GiRLS 『Celebration』

 

誰がガチで、誰が全力? その答えはわからないけれど――みんながキャラや物語ばかり重視するので、私たちが音楽を独占させてもらいます!!と言わんばかりの楽しすぎるミュージック・セレブレーション!!

 

 

いろいろありすぎた年を終えて

「この一年、すごくいろんなことを経験してきましたけど、そのなかでも大きいなって思うのは、iDOL Streetの妹分ができたこと。Cheeky ParadeがいてGEMがいて、ストリート生がいて、こんな大人数になるとは思ってなかったですし、妹分ができることによって、デビューしたばかりの頃には考えなかったようなことも考えるようになりました」(後藤彩)。

「個人的なことだと、7月に4日間やらせていただいたライヴ〈フルバトル公演2012 夏〉で、構成とセットリストを決めさせていただいたこと。メンバーにも迷惑かけたりしちゃったんですけど、終わった後に〈ありがとう!〉っていう言葉を聞けたとき、やってよかったなって思いました」(志村理佳)。

「夏といえば“プリプリ❤SUMMERキッス”のMV撮影で、夢だった(MV撮影としては)初の海外ロケをして。この曲は〈a-nation〉だったりたくさんのイヴェントで歌って、たくさんの方に聴いてもらえた曲だと思うので、去年の夏はとにかくお尻を振った夏でしたね(笑)」(荒井玲良)。

「〈超絶☆歌劇団〉の舞台がすごく思い出深いです。音楽とは離れた、演技という面でファンの方々を楽しませることの難しさも感じましたし、舞台初体験のメンバーがほとんどだったので、みんな悩んで苦しんで……良い経験でした」(宮﨑理奈)。

「ライヴやレコーディングに対する姿勢がすごく変わりました。自分なりにいろいろ考える余裕が出てきたし、自然と自分なりの歌い方みたいなものが身に付いてきたなって思います。それは演技とかをやったことも大きかったと思いますね」(八坂沙織)。

昨年4月の“1,000,000☆スマイル”で始まり、“プリプリ❤SUMMERキッス”、そして“赤い情熱”というヒット・シングルを残してきたセカンド・シーズンをそんなふうに振り返るSUPER☆GiRLSが、その集大成であり、ネクスト・シーズンへの序章ともなるサード・アルバム『Celebration』を届けてくれました。〈音楽でつながろう!〉をテーマに1月から行われたキャンペーン〈Music Ribbon〉での全国行脚を経て、彼女たちがこのアルバムで示したのは、いわゆるアイドル・ファンだけではなく邦楽ポップス全般に触れているリスナーにも訴求できるキャッチーさと、その意思。さまざまなサウンドを着飾ったアイドル・ポップとしての娯楽性も当然備えつつ、実に汎用性の高いポップソング集なのであります。

「前回以上にいろんなことに挑戦しているアルバムですね。〈アイドル・ブームもいつまで続くかわからない〉とか言われてたりしますけど、SUPER☆GiRLSはいろんな方々、老若男女の方々に聴いていただける音楽をやっていきたいなって思ってるんです。私が曲を作ってるわけではないんですけど(笑)」(八坂)。

 

気持ちの入り方が違った

ライヴの新たなイントロ曲となる“Welcome to ❤ S☆G Show!! III”で幕を開け、前述のシングル表題曲も含めて全13曲から成る『Celebration』には、9曲の新曲を収録。溝手るかと前島亜美の好コントラストな掛け合いが聴けるメタリックなロック・ナンバー“DREAM SEEKER”、「スパガってソロ・パートのある曲が多いんですけど、なかでもこの曲は全員の色がわかりやすく出てる」(荒井)という“恋愛マニフェスト”、「今回も私はセクシー系(笑)。ジャズっていままでのスパガにはホントなかったタイプの曲」(後藤)というスウィンギーな“夢中マテリアル”、溝手の凛々しいリードを軸に渡邉ひかる(天使役)と志村(悪魔役)がラップで掛け合う“EXIT”、「〈ザ・アイドル〉というか、安心感のある曲(笑)」(宮﨑)というオーセンティックなスタイルのアイドル・ポップ“純情シンデレラ”、「ライヴだとさらに盛り上がる曲。ヤバイ(笑)」(荒井)というファンキー・チューン“Rave Together!!!”、「ライヴのときに泣いてるファンの方もいて、そのぐらい曲に入り込んでくださるのがすごく嬉しい」(志村)ということで今回もちゃんと用意された王道のバラード“約束の花束”……。そして本編のラストは、〈Music Ribbon〉のテーマ曲でもある小室哲哉書き下ろしのハートフルなナンバー“Celebration”だ。

「小室さんにはレコーディングにも立ち会っていただいて、どういう思いで作ってくださったのかとか、そういうお話も聞けたので、いままでとはまったく気持ちの入り方が違うレコーディングでした」(八坂)。

「小室さんも〈自信作〉って言ってくださったので、私たちも〈がんばらなきゃ!〉って思いながら歌いました。〈Music Ribbon〉のイヴェントでは毎回最後に歌ったんですけど、歌っていて〈いいなあ〉って思いますね」(宮﨑)。

充実感ハンパないアルバムを完成させたSUPER☆GiRLS。3月からは全国ツアーが始まり、6月11日には日本武道館公演というビッグ・イヴェントも控えている。

「なんかイケる気がするんですよ! この自分の感覚……どこからきてるのかわからない自信を信じるようにしたいし、イキたいですからね、今年はもう。そういう思いをみんなひとつにすれば、武道館もきっと満員になってると思います!」(宮﨑)。

 

▼関連盤を紹介。

妹分にあたるCheeky Paradeのシングル“BUN BUN NINE9'”(iDOL Street)

カテゴリ : インタビューファイル | タグ : 女性アイドル

掲載: 2013年02月20日 18:00

更新: 2013年02月20日 18:00

ソース: bounce 352号(2013年2月25日発行)

インタヴュー・文/久保田泰平