インタビュー

自身のアルバムや参加作で振り返る15年



今年、結成15周年を迎えるMONGOL800。その間、「自分たちでフェスを立ち上げたり、カヴァーやトリビュート盤に参加したりと、そういう活動を通じて経験値が上がった」(上江洌)とみずからを振り返る彼らは、2005年以降アジアを中心に海外でもたびたびライヴを行っているのをはじめ、徐々に活動の幅を広げてきた。ということで、ここではバンドの歴史を作品と共に辿ってみよう。

98年、高校時代に結成。翌年沖縄限定で発表した初作『GO ON AS YOU ARE』が大きな反響を呼び、翌年に全国流通盤としてリリースされると、彼らの快進撃がスタートする。〈サマソニ〉など大型フェスへも出演するようになり、TVCMで“あなたへ”が取り上げられたことも認知の広まりに繋がって、2作目『MESSAGE』(2001年)は発表から7か月後にオリコン・チャート1位を獲得。これまでに300万枚以上のセールスを記録している。その後も沖縄を拠点に活動を続け、ごくマイペースにリリースを重ねてきた。『百々』(2004年)はメロウな色合いの濃い作品となり、『Daniel』(2006年)からは儀間が作詞/作曲に参加するように。そして5作目『eight-hundreds』(2009年)はそれまでのサウンドの広がりを集大成した一枚となる。基本はアルバムに力点を置いた活動をしているが、その合間を縫って“ヨロコビノウタ”“special thanks!!”という2枚のシングルも発表した。

一方、2007年頃から外仕事も増えはじめる。特に、ユニコーンやRIP SLIME、HUSKING BEE、THE BOOMなどのトリビュート盤へ数多く参加しており、モンパチ色をはっきりと打ち出したカヴァー曲を披露してきた。そんななか、沖縄繋がりであるBEGINのカヴァー集では、同じく同郷のスカ・バンドであるMAJESTICSとのコラボで“涙そうそう”を担当。MAJESTICSらしさの出たロックステディ調のアレンジが施され、モンパチにとっては新鮮なタッグとなった。それらを含む外部ワークスや他アーティストとのコラボ曲は、『etc. works』『etc. works 2』にコンパイルされている。

さらに、キヨサク単独での仕事も2010年あたりから精力的になってくる。ソロ・プロジェクト=The NO PROBLEMsでの活動をはじめ、かねてから親交があったというJUJUらへの楽曲提供、また山嵐やQ;indivi+(“hanabi”は泣ける名曲!)、SPECIAL OTHERS、サザンオールスターズの関口和之、SOFFetらの作品にヴォーカル(場合によっては作詞も)で迎えられている。また、昨年はチャリティー・プロジェクトのTHE HUMAN BEATSへ参加したり、湘南乃風のセレクターとしても活動するThe BK Soundとのコラボで全曲ジャマイカ録音の『アイランド』を発表。後者はスカ〜レゲエや沖縄&昭和歌謡を南国テイストでカヴァーしたユニークな一枚となった。

そして今年は本文で紹介した初のベスト盤と新作をを立て続けにリリース。その後、全国ツアーを経た7月には2度目の日本武道館公演が控え、15年目は例年以上の活躍が期待できそうだ。



▼関連盤を紹介。

左から、MONGOL800の99年作『GO ON AS YOU ARE』、同2001年作『MESSAGE』、同2004年作『百々』、同2006年作『Daniel』、同2009年作『eight-hundreds』(すべてTISSUE FREAK)、2007年のユニコーンのトリビュート盤『ユニコーン・トリビュート』(ソニー)、2010年のTHE BOOMのトリビュート盤『BOOMANIA 〜THE BOOM SPECIAL BEST COVERS〜』(FIVE D PLUS)、2011年のBEGINのトリビュート盤『BEGIN 20th ANNIVERSARY SPECIAL TRIBUTE ALBUM』(インペリアル)、MONGOL800の編集盤『etc. works』『etc. works 2』(共にTISSUE FREAK)、JUJUの2010年作『JUJU』(ソニー)、Q;indivi+の2010年作『ACACIA』(ワーナー)、SPECIAL OTHERSの2011年のシングル“空っぽ”(スピードスター)、上江洌.清作とThe BKサウンズ!!の2012年作『アイランド』(トイズファクトリー)

 

 

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年02月21日 19:30

更新: 2013年02月21日 19:30

ソース: bounce 352号(2013年2月25日発行)

文/荒金良介

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