INTERVIEW(2)――100%の明るさのなかに1%の哀愁
100%の明るさのなかに1%の哀愁
――では“でんでんぱっしょん”のお話に行きましょうか。“でんぱれーどJAPAN”を作った後はライヴで共演されたり、お互いのキャラがよりわかるようになったから、作る姿勢にも変化があったんじゃないでしょうか。
玉屋「そうですね。“でんぱれーど JAPAN”のときは俺自身を押し売りしてしまった感があったんです。狙ってやったところもあるし、わからなかったからそうせざるを得なかったっていうのもある。それがハマったのかもしれないですけど。で、今回は、ライヴも観たし、メンバー全員とも話せたから、でんぱ組.incができること、これからやろうとしてることを入れたいなって思いました。100%の明るさのなかに1%の哀愁があるというか。それと、ユーモアがあるんだけど、それがちょっと昭和的で」
瑛美「あーー!」
ねむ「バレてる! ピンキー!(藤咲彩音)ともがちゃんで誤魔化してるんでやめてくださいよ!」
玉屋「誤魔化しきれてないな~(笑)」
ねむ「うちら一挙一動が昭和臭いんですよ!」
玉屋「何て言うか、〈ごっつええ感じ〉じゃなくて〈ドリフ〉だよね」
一同「うわわ~(笑)」
玉屋「ドリフ的なハチャメチャさというか。だからオチもつけたいし、哀愁も出したいしっていうのはすごく考えました」
梨紗「メロディーを聴いて、出だしからいいなって思ったんですけど、90年代アニソン的なラインみたいな懐かさを感じて嬉しかったです」
玉屋「うん。メロディーはあえてベタっていうか、子供っぽくてスタイリッシュすぎないっていうのを考えました」
――さきほどキーの話題が出ましたけど、今回すごく高いですよね。
一同「高い!」
ねむ「めっちゃ高いですよね。音波出てる(笑)」
玉屋「〈最終的にキーはみなさんで決めてください〉って渡しました(笑)。そうしたら高いのがやってみたかったのか」
ねむ「高いままだった」
玉屋「歌うのは超大変だろうけどおもしろいよね」
瑛美「やりがいあります!」
ねむ「(つむじあたりを指差して)ここから声を出すっていう、歌の先生が言ってることがよくわかりました(笑)」
梨紗「ライヴのときにすごい〈ぃよいしょ!〉みたいになります!」
瑛美「この普通じゃない音程がすごい好きですね」
玉屋「めちゃくちゃだよね」
ねむ「音程もなんですけど、6人が掛け合いみたくかぶせるように畳み掛けていくところがあって、そこも大変です」
梨紗「集中しないと歌えない」
玉屋「ダンスも新体操の動きしてるでしょ。経験者いるの?」
ねむ「(古川)未鈴ちゃんだけやったことあるけど、他のメンバーは初めて」
玉屋「そこからスタートでしょ? 大変だよね……」
ねむ「もともとできることがひとつもないので、何をやってもイチからなので、がんばりました」
瑛美「あと、メロディーの運び方なのか、歌っていて気持ち良いんですよね。これは何なんですかね」
玉屋「ああ。それは自分のクセなのかもしれないけど、聴いていて気持ち良いよりも、歌っていて気持ち良いメロディーを探すんだよね」
――それはヴォーカルの人の曲ならではなのかもしれないですね。
玉屋「そうですね。作曲者というよりバンドのヴォーカルとして、ですね。作るときも歌いながら作るし。(振りをしながら)俺がでんぱ組.incに入って、っていうのを想像しながら作るからそうなるのかな(笑)」
ねむ「これ、ムーヴィー撮ってたら良かったのに(笑)」