インタビュー

INTERVIEW(2)――可愛いよりカッコイイ



可愛いよりカッコイイ



ひめキュンフルーツ缶



――徐々にロック・テイストなグループとして方向性が固まっていきましたが、ポイントになった曲、出来事を挙げてもらえますか?

桜子「シングルなら“例えばのモンスター”(2012年6月)です」

真友里「“例えばのモンスター”から、全員の歌割りのテストをするようになったんです。8人時代はメイン・ヴォーカルが真依って決まってて、前3人が歌うみたいな。5人になって、プロデューサーさんにちゃんとひとりずつ見てもらえるようになった気はします」

結里亜「歌割りがもらえることで、がんばろうって気持ちが大きくなりましたね」

桜子「それによって、個々の責任感が出てきたし」

真依「私は、メインを歌わせてもらってたんですけど、みんなに負けないようにがんばらないとなって思いました。でも、みんなが平等に歌えるのは嬉しかったです」

――では、ひめキュンならではのダンスの持ち味を挙げるとすると?

穂乃花「ダンスの先生がいままでに3回変わって、“ワタシダイイチキボウ”(2012年作『恋愛ミラクル!!』収録)から、いまの先生になって、パワーを使う踊り方になったり、変わったんです」

真友里「難しいステップが入ったり、筋肉がつくダンスです(笑)」

――振りは、どんどんパワーアップしてますよね。

穂乃花「エネルギッシュですね。“恋の微熱”(2012年4月)も激しいけど、まだ暴れる感じはなかったし」

結里亜「暴れ感が増して、どんどんアイドルから遠ざかりましたよね(笑)。でもそれは、他のアイドルさんがやってない武器にもなったと思うし。可愛いよりも、カッコイイ振り、勢いがあって殴り掛かっていきそうなのが多いじゃないですか(笑)。いまの雰囲気は良いなって思います」

桜子「アイドルさんは普通、手振りが多いけど、私たちはステップとか身体全体を使うので、体力の消費量が違うんです。最初は追いつけないとこもあったけど、ツアーを重ねて、体力もついてきて、激しいダンスに耐えられる体力がついて自信にも繋がりました。他より激しいのは、ウチらの強みですね」

真依「アイドルさんなら、みんなで見合ってニコニコな感じのダンスが多いけど、ひめキュンはカッコイイのが多くて好きです」

真友里「目を合わせる余裕ないよね」

真依「合わせても顔がグシャグシャで(笑)」

結里亜「目を合わせるくらいなら、お客さん煽りにいくって感じなので(笑)」

穂乃花「可愛い曲でも、簡単そうに見えても、大きく踊るので意外としんどいんです」

桜子「ライヴハウスだと足が見えないけど、でも足がすごく動いてるんです」

真友里「お客さんに、〈全身観たら、こんなにステップしてたんだ〉って言われます」

――ずっと反復横跳びしてるみたいな(笑)。

真友里「そんな感じです(笑)。シンプルなことがあまりなくて、ずっと動いてます」



ひめキュンフルーツ缶



――じゃあ、歌でこだわってるところは?

真依「曲を作ってくださる方が、ひめキュンに愛情を込めて作ってくれるんです。その愛情が詰まった曲に、私たちがもっと愛情を込めて歌ってるので自信はあります」

穂乃花「ロックなカッコイイ曲が多くなってきたんですけど、でも、穂乃花はカッコ良く歌えないんですよぉ。可愛い感じになっちゃって。これが続くのかって……」

――イヤなんですか(笑)?

穂乃花「イヤじゃないです(笑)。可愛いのも良いなって。だけどいまは、このカッコイイ感じがひめキュンっぽさだし好きなので、もっとカッコ良く歌えるようにがんばりたいです」

真友里「私は可愛い歌が逆に難しいんです。高い音になるのがしんどいです。だから、いまのスタイルは好きです」

桜子「ひめキュンの曲って、〈普通のロックよりひねったロックだね〉って言われることが多いんです。私たちはロック自体よくわからなくて。でも、プロデューサーさんがこだわりがあるから、音楽ファンの人にも聴いてもらえる自信があるんです。アイドルとしてだけじゃなく、音楽として勝負できるなって。その曲に負けないように、私たちも気持ちを込めて歌っていかなきゃなって」

結里亜「デモをもらったときに、〈好きだ!〉って思うことが多いんです。ただ、歌うときに苦戦して、自分なりに歌っても、プロデューサーさんに、勢いとかで〈もうちょっと〉って言われるんです。その思いにも答えなきゃと思うし、だから歌は上手くなりたいし。1年前に比べたらちょっとは歌えるようになってきたかなとは思うけど、もっとヴァリエーションを増やして、もっと応えられるようになりたいし。その思いをお客さんに伝えられるようにしていきたいです」

――ラップも増えてきましたね。

結里亜「やっと上手くなりました。“ストロベリーKISS”(『恋愛ミラクル!!』収録)とか、可愛い曲でのラップ担当は穂乃花で」

穂乃花「ゆん(結里亜)ができない、高いパートはやります」

結里亜「カッコイイのとバカっぽいので、両極端に分かれます(笑)」

――〈可愛い〉から、いきなり〈バカっぽい〉に変わりました(笑)。

穂乃花「だってそういうふうにしかできないんですよ~。でも、バカじゃないと、みんなひめキュンやってないでしょ(4人に同意を求めるも、全員スルー)?」

――(笑)。あと、ひめキュンと言えば、移動が全部ハイエースという、まさにバンドマン状態ですよね。

真依「あ、でも今回は飛行機で東京に来ました。2回目です」

――お、メジャーになって変わったんですか?

真依「いえいえ、取材の時間に間に合わないからです。帰りはハイエースです」

真友里「飛行機は降りてからの電車移動が大変で。衣装もあって荷物が多くて」

桜子「ライヴの移動は、これからもずっとハイエースだと思います」

真依「ハイエース好き~」

穂乃花「ハイエースを簡単には捨てませんよ~」

結里亜「楽ですよ、ハイエース」


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掲載: 2013年08月07日 18:01

更新: 2013年08月07日 18:01

インタヴュー・文/土屋恵介