「有頂天家族」 森見 登美彦インタビュー
これから面白くなる一方です。きっと見てくれた人は、見れば見るほど幸せに、
有頂天になるでしょう。
―映像化された作品を初めてご覧になった時、どのような感想をお持ちになりましたか?
「第一話を見て真っ先に頭に浮かんだ印象は<ゴージャスでジューシーだなぁ>でした。静かな立ち上がりの第一話なんですけど、画面から背景や演出が滴ってる印象を受けました。これを観てくれた人は、静かなアニメだなとか、あまり派手なことにはならないんじゃないかと思われるかなって心配もしましたが、スタッフの皆さんが原作をそのまま映像化をしてくれましたので、あのシーンやこのシーンが見られるのが今から楽しみです」
―キャラクター原案を久米田康治先生が手がけておられますが、森見先生が特に気に入っているキャラクターとその見所があれば教えてください。
「う~ん、難しいですね。キャラクター単体では見えないものが、アニメーションになって、物語が進んでいく中で見えてくるものですよね。この作品はみんな狸姿があるじゃないですか。そしてみんな違う。僕はあの姿が凄く好きなんです。狸のデザインの中にトランプのマークが入っていて、細やかに描き分けられているのもいいですね」
―ご自身が「有頂天家族」の人物になれるなら、誰になってみたいですか?
「それは間違いなく弁天です!神通力を使えるようになって、狸たちをいじめてみたりしたいですね。毛玉を転がすように(笑)」
―最後に、これからアニメを見るファンの方々へメッセージをお願い致します。
「これから面白くなる一方です。きっと見てくれた人は、見れば見るほど幸せに、有頂天になるでしょう。是非楽しみにしてください。私も楽しみです」
■Profile……森見 登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年「太陽の塔」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2007年「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞。
掲載内容:2013/9/10号掲載