インタビュー

アルバム・デビューから20余年、独自の光でリスナーを包んできたモービーの歩み(2)



11. 2004年に発表したヴードゥー・チャイルド名義の2作目『Baby Monkey』(Mute)

 

12. 『Hotel』 Mute(2005)

多くの曲で味わい深い自身の歌を披露したパーソナルな内容のオルタナ・ポップ盤。バンド・サウンド風のプロダクションも功を奏し、ソングライティングの実力が浮き彫りに。ニュー・オーダー“Temptation”の穏やかなカヴァー、デヴィッド・ボウイを彷彿とさせる“Spiders”などハイライトだらけ。

 

13. トレント・レズナーと共に監修した2006年のサントラ『Southland Tales』(Milan)

 

14. 『Go: The Best Of Moby』 Mute(2006)

『Play』『18』収録曲を中心に、初期の名曲“Go”や映画「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」に提供した“James Bond Theme”などが聴けるベスト盤。唯一の新曲である痛快なディスコ・チューン“New York New York”では、デボラ・ハリーの参加がよほど嬉しかったのか、珍しくキャッチーなメロディーが舞い躍る。

 

15. 2006年にリリースされたスライ&ザ・ファミリー・ストーンのトリビュート盤『Different Strokes By Different』(Epic)で“Love City”をカヴァー!

 

16. 『Last Night』 Mute(2008)

ファースト・アルバムを想起させるレイヴ・サウンドを軸に据えたことでエネルギッシュな姿を取り戻し、クラブ・ミュージックとしての側面が際立った原点回帰作。全体のバランスを整えるように、『Play』以降で確立した美麗でスケール感のある曲も忍ばせ、その安定した作りは流石だ。

 

17. 『Wait For Me』 Little Idiot(2009)

自身のレーベルからリリースした初のアルバムは、不安げでエモーショナルなトーンを貫いていてとても内省的。クラシカルな装いと、エレクトロニカやポスト・ロックの風味がそれに拍車を掛けている。本作で唯一モービーが歌う“Mistake”では、またしてもボウイへの愛情が爆発。

 

18. 全面プロデュースを手掛けたミレーヌ・ファルメールの2010年作『Bleu Noir』(Polydor France)

 

19. 2011年にリリースされた映画「トロン」のリミックス盤『Tron: Legacy Reconfigured』(Walt Disney)に参加して“The Son Of Flynn”を再構築!

 

20. 『Destroyed.』 Little Idiot(2011)

前作を踏襲したような、静寂に似合うメロディアスな楽曲が並ぶも、深夜にツアー中のホテルで書かれたというシチュエーションのせいか、孤独感がやけに沁みる渋い一枚だ。曲が淡々と流れていくので平坦な点もあるが、それが演出に感じられるほど人間味のある音へと転化されている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年10月16日 18:00

更新: 2013年10月16日 18:00

ソース: bounce 359号(2013年9月25日発行)

ディスクガイド/青木正之

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