アルバム・デビューから20余年、独自の光でリスナーを包んできたモービーの歩み(1)
1.『Moby』 Instinct(1992)
インダストリアルやゴア・トランスのフレイヴァーも感じられるこの初作は、アップリフティングなハードコア・ブレイクビーツとアシッド・ハウスで疾走。「ツイン・ピークス」のテーマをサンプリングした“Go”は、モービーのブレイク曲であり、90年代初頭のレイヴ・アンセムとしても有名だ。
2. 『Ambient』 Instinct(1993)
ストレートなタイトルが示す通り、この2作目はアンビエント・アルバムに。とはいえ、しっかりとビートも効かせ、アンビエント・テクノ/ハウスといった趣がある。ミステリアスなメロディーを多用し、音の質感をふんわりさせたことで、前作とは対極にある幻想的でスピリチュアルな雰囲気を創出。
3. 2010年にリイシューされたジ・アザー・トゥーの93年作『The Other Two And You』(Factory/LTM)で“Moving On”のリミックスを担当!
4. ミュートに移籍して95年に発表した3作目『Everything Is Wrong』(Mute)。現在は廃盤
5. 97年リリースの4作目『Animal Rights』(Mute)。こちらも現在は廃盤
6. “Dead Man Walking”のリミックスを収録したデヴィッド・ボウイのボックス・セット『David Bowie Box』(Columbia)
7. ジョン・ライドンの97年作『Psycho's Path』(Virgin)で“Grave Rid”のリミックスを担当!
8. 『Play』 Mute(1999)
さまざまなタイプの曲を高水準でまとめ上げるモービーの本領が目覚めた5作目。ゴスペルやブルースを吸収したブレイクビーツから熱いダンス・ロックまで、多彩なアプローチでキャリア最高の成功を手中に収めることとなる。自身を投影したキャラクター〈リトル・イディオット〉もPVに初登場し、大活躍!
9. 『18』 Mute(2001)
世界的な大ヒットを記録した前作から、ゴスペル、ブルース、アンビエントに特化することで、荘厳なサウンドスケープを描いてみせた6作目。アズール・レイ、シニード・オコナーをはじめ、ゲスト・シンガーの配役も見事にハマり、神聖な世界観の構築に貢献している。
10. ブリトニー・スピアーズの2004年作『In The Zone』(Jive)。“Early Mornin'”の共作&プロデュースで関与!
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2013年10月16日 18:00
更新: 2013年10月16日 18:00
ソース: bounce 359号(2013年9月25日発行)
ディスクガイド/青木正之