ディスクガイド――（2）

三回転とひとひねり 『回覧盤』 術ノ穴（2013）

本作で全国デビューとなった長崎のバンド。ヴィジュアルにイラストを用いた九州人……という意味ではまくらとかぶるが（強引）、幻想的で風変わりなファンシー感覚はこの4人の味だろう。術ノ穴の新参PARKGOLFのリミックスにも注目!

DOTAMA×ハハノシキュウ 『13月』 術ノ穴（2013）

OLDMACHINEとのジャズ、USKとのチップチューン、と続いたDOTAMAのコラボ最新作はフリースタイラーのハハノシキュウとマイクを交わし、話題になった“2012年にクリスマスが終わる”など毎月の行事をカレンダー式に綴りつつ、“13月”へ……。全曲のプロデュースはQuviokalが担当。

UHNELLYS 『SCREAMER e.p.』 I'mOK（2013）

リアルタイム・サンプリングを駆使したパフォーマンスとミクスチャーな音楽性で知られる男女ユニット。Fragmentの別掲作にてkimが“豚の頭”に参加したお返しに、この最新EPではFragmentが“EL DORADO”をリミックスしている。

私立恵比寿中学 『中人』 DefSTAR（2013）

説明不要のグループによる初のオリジナル作。その〈初回生産限定ビー盤〉に付いたボーナスCDの“恵比寿組曲”は、なんとFragmentが彼女らの楽曲をDJミックスしたもの!　まくらと三回転のみさきも声出ししているのでこれは注目です。

lyrical school 『date course』 T-Palette（2013）

tengal6時代からアブストラクトなビートを提供してきたFragmentは、lyrical school改名後の初作においても“wow♪”を担当。リリックはポチョムキン（餓鬼レンジャー）が書いている。なお、本作中の“流れる時のように”がハシダカズマ（箱庭の室内楽）のプロデュースだという繋がりも。

楽団ひとり 『LOVE』 ANALOG SCIENCE（2013）

石巻のラッパーによる3年ぶりの新作。その間に手合わせした“NORTH EAST COMPLEX part 3.11”を経て、ここではFragmentと再合体。その“ビリオン・ダラー・ベイビー”は学校のチャイム音を用いたループが熱い言葉を煽る逸曲だ。

般若 『ジレンマ』 昭和レコード（2013）

11月にリリースされる般若のニュー・シングルではMACCHO（OZROSAURUS）が参加するということで話題となっていたが……その表題曲でトラックをプロデュースしたのはFragment!　切迫感を伴って足早に駆けるビートは力強い2本マイクを急き立てるかのようにエモーショナル!