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インタビュー

AVRIL LAVIGNE 『アヴリル・ラヴィーン』

 

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ポップで、ロックで、とびっきりキュートなアヴリル・ラヴィーンが帰ってきた!〈これまで自分が触れてきたいろんな音楽スタイルが入った、まさしく私自身って感じのアルバム〉と語るセルフ・タイトル作『アヴリル・ラヴィーン』は、新たなパートナーと共に作り上げた、バラエティ豊かな傑作。ここから彼女の新たな物語が幕を開ける。


ニッケルバックのチャド・クルーガーを新たなパートナーに、パンクのプリンセスから、ロックのクイーンへ



通算5作目となるアルバム『アヴリル・ラヴィーン』からの先行シングル“ネヴァー・グローイング・アップ”のミュージック・ビデオが公開されると、昔からのファンは嬉しい驚きを味わったに違いない。合唱必至のアンセミックなミドル・チューンである“ネヴァー・グローイング・アップ”に乗せて、なんとアヴリルはデビュー当時を彷彿とさせる、ボーイッシュなスケーター・ルックで登場するのだ。それは〈絶対大人になんかならない〉というこの曲のテーマを体現すると同時に、新しいアルバムが彼女にとって2枚目のデビュー・アルバムと言うべき作品になるであろうことを、予見していたと言ってもいいだろう。

 2011年に発表された前作『グッバイ・ララバイ』は、サム41のデリック・ウィブリーとの離婚を経験したアヴリルのパーソナルな心情が表れたアルバムだった。リード・トラックの“ワット・ザ・ヘル”こそアップテンポのポップな楽曲だったものの、アルバム収録曲の多くがアコギをメインとし、別離に対する感傷を歌い上げたものであった。しかし、アヴリルは新作のプロデューサー兼共同作曲者を務めたニッケルバックのチャド・クルーガーと意気投合、2人は今年の7月に結婚を果たした。昨年公開されたアニメーション映画「ワンピース フィルム ゼット」では、主題歌としてニッケルバックの“ハウ・ユー・リマインド・ミー”をカバーしていたが、まさかあれが伏線だったとは…(もう一曲の主題歌“バッド・レピュテーション”と共に、国内盤のボーナス・トラックとして特別に収録)。南仏の古城で行われた結婚式は、ウェディング・ドレスも、スーツも、バラのブーケも、すべてが真っ黒な〈ブラック・ウェディング〉で、そんな彼女のゴシック趣味は、新作のアルバム・ジャケットにも明確に反映されている。

 サム41からニッケルバックへの華麗なる転身(?)は、彼女の音楽性にも影響を与えていると言っていいだろう。前夫のデリックは、大ヒット曲“ガールフレンド”を収録した3rdアルバム『ベスト・ダム・シング』にプロデューサーとして参加し、アルバムリリースに伴うジャパン・ツアーでは、ギタリストとしてゲスト出演も果たすなど、アヴリルのパンキッシュな魅力に大きく貢献していた。しかし、ミュージック・ビデオでの女優とのキス・シーンも話題となった本作のリード・トラック“ロックンロール”は、クイーンの“ウィー・ウィル・ロック・ユー”のようなリズム・パターンが特徴の、〈これぞスタジアム・ロック〉といった感じの一曲で、チャドとのデュエットを聴かせる“レット・ミー・ゴー”も、スケールの大きなピアノ・バラード。パンクのプリンセスから、モダン・ロックのクイーンへと、彼女がステップアップを果たしたことが感じられる。



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 また、本作は曲作りに時間をかけるため、一年間スタジオで過ごしながら、じっくりと制作が進められたのだという。新たなコラボレーターとしては、元エヴァネッセンスのデヴィッド・ホッジスや(このあたりの人選も、ゴス趣味が反映されていると言えそうだ)、ボーイズ・ライク・ガールズのマーティン・ジョンソンらも迎えられ、〈これまで自分が触れてきたいろんな音楽スタイルが入った、まさしく私自身って感じのアルバム〉と、本人も自信満々のコメントを寄せている。実際本作には、前述した3曲に加え、あのマリリン・マンソンとコラボレーションを果たしたヘビーな“バッド・ガール”、日本人には嬉しいタイトルのエレクトロ風ナンバー“ハローキティ”、美しいクロージング・ナンバーの“ハッシュ・ハッシュ”など、実にバラエティ豊かな楽曲が全13曲(ボーナス・トラックは除く)収録されている。さらには、“ネヴァー・グローイング・アップ”の他に、彼女のデビュー時の年齢をタイトルに冠した“セヴンティーン”という曲もあったりと、本作は彼女にとっての〈若さ〉を歌った原点回帰作でありつつ、それと同時に新たな一歩を踏み出した作品であるとも言えそうだ。

17歳で華々しくデビューを果たした少女も今や29歳、本作が20代最後の作品となるだろう。数々の成功を手に入れながらも、離婚という苦境も経験したアヴリルは、今新たなパートナーと共に自分自身を取り戻し、さらに美しさを増して、シーンの最前線へと再び帰ってきた。これから一人のアーティストとして、また一人の女性として、彼女がどんな風に30代、40代を迎えていくのか。このアルバムを聴いていると、何だかそれがとっても楽しみになってくるのだ。



■ALBUM…『アヴリル・ラヴィーン』 now on sale!

■Song List
01.ロックンロール
02ネヴァー・グローイング・アップ
03.セヴンティーン
04.ビッチン・サマー
05.Lレット・ミー・ゴー feat.チャド・クルーガー
06.ギヴ・ユー・ホワット・ユー・ライク
07.バッド・ガール feat.マリリン・マンソン
08.ハローキティ
09.ユー・エイント・シーン・ナッシン・イェット
10.シッピン・オン・サンシャイン
11.ハロー・ハートエイク
12.フォーリング・ファスト
13.ハッシュ・ハッシュ

【日本盤ボーナス・トラック】
14.ロックンロール(アコースティックVer.)
15.バッド・レピュテーション ※映画「ワンピース フィルム ゼット」のW主題歌
16.ハウ・ユー・リマインド・ミー※映画「ワンピース フィルム ゼット」のW主題歌


 

■Live…アヴリル・ラヴィーン 2014年来日公演決定!!

<AVRIL LAVIGNE ジャパン・ツアー>
2/3(月)神奈川 パシフィコ横浜
2/4(火)、5(水)東京 日本武道館
 2/7(金)愛知 日本ガイシホール
2/8(土)大阪 インテックス大阪

※来日公演オフィシャル・サイトをご確認ください。

■Profile…AVRIL LAVIGNE(アヴリル・ラヴィーン)

世界トータルセールス4000万枚、最強無敵のロック・プリンセス。2002年、若干17 歳で発表した記念すべきデビューアルバム『レット・ゴー』は全世界で2000万枚ものセールスを記録! <日本ゴールドディスク大賞 アーティスト・オブ・ザ・イヤー(洋楽)>を受賞し、一気にスターダムへのし上がる。その後も世界的大ヒットを記録し続け、日本ではデビュー以来3枚連続ミリオン達成という快挙を達成。日本の洋楽史上、いまだその記録は破られていない。自身の名前を冠した約2年ぶりとなる新作を携えて、2月3日の神奈川県パシフィコ横浜を皮切りに全国4都市で計5公演を行う。

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記事内容:TOWER+ 2013/11/10号より掲載

 

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2013年11月10日 00:00

ソース: 2013/11/10

TEXT:金子厚武