インタビュー

D.M.が『The Entertainer』宣言するまで



表題の意図については、〈あの男は誰だ?〉→〈三浦大知です〉→職業は〈エンターテイナーです〉という職質(失礼)的な流れがあるそうだが、実際のところ『D-ROCK with U』でソロ・デビューを果たした大知も、当初はそれまでの少年っぽさの延長で見られることが多かったように思う。そのイメージを拭うことになった転機の一作こそ、〈Boy〉ではなく〈Man〉を強調した2作目『Who's The Man』だったわけだ。ここで出会ったプロデューサーのNao'ymtやUTA、作詞家のMOMO"mocha"N.らが現在に至るまでの音楽的なブレーンとなっているのは言うまでもない。また、UTAとのコンビによる楽曲制作への関与もここから始まった。そんな前作の〈問い〉を受ける形で登場したサード・アルバム『D.M.』はU-Key zoneのキャッチーな名曲群やNao'ymtのプログレッシヴな仕事を軸にしながら、大知自身もペンを交えて大名曲“Only You”を残している。

以降、『The Entertainer』までには3枚のシングルが出ているが、毎回アルバム未収のカップリング曲も秀逸なのでそちらもお忘れなきよう。特に両A面の『Right Now/Voice』に収録の“Voice”は本人の詞曲による絶品のミディアムだ。また、近年の外部コラボには福原美穂の“Dream On”やDJ Deckstreamの“HOLIDAY”があり、特にメロディックなループに乗る後者はフレッシュ!



▼三浦大知のアルバムと最近のシングル。
左から、2006年作『D-ROCK with U』、2009年作『Who's The Man』、2011年作『D.M.』、2012年のシングル“Two Hearts”、同年の両A面シングル『Right Now/Voice』、2013年のシングル“GO FOR IT”(すべてSONIC GROOVE)

 

 

▼三浦大知が客演した近作。
左から、福原美穂の2012年作『The Best of Soul Extreme』(ソニー)、DJ Deckstreamの2013年作『DECKSTREAM.JP』(エピック)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年11月20日 18:01

更新: 2013年11月20日 18:01

ソース: bounce 361号(2013年11月25日発行)

文/出嶌孝次