INTERVIEW(2)――センス一発のポップさ
センス一発のポップさ
――そもそもTHE NOVEMBERSの2人は、hideさんをリアルタイムで聴いていた?
小林「はい。小学生の時ですね。もともとX(現X JAPAN)がすごい好きで、Xから入ってhideさんのソロに自然と結び付いていきました。最初に好きになったのは、たぶん“Beauty & Stupid”だったと思います。Xとはまた別で、ポップなんだけど攻撃的で、見た目も奇抜で、でもスタイリッシュで、すごく惹かれるものがあったので。普通に生活していたら感じられないようないろんな刺激を、hideさんというアイコンからすごく感じたんです。そこで〈こんな世界もあるんだ〉と思った……というのが小学校高学年の頃ですね」
HIROMITSU「僕らもXから入ってます。確か中1の時に『JEALOUSY』が出たのかな」
MOCCHI「僕は、〈期末テストの勉強をちゃんとするからCD買っていい?〉って親に頼んで、テストが終わるまで封を開けずに置いておいたという思い出があります。初めてライヴを観たのは『JEALOUSY』のツアーで、その前にフィルム・ギグをやってたんですよ。〈ROSE & BLOOD TOUR〉が終わってから、〈VIOLENCE IN JEALOUSY TOUR〉をやる間に……」
――すごいですね、ツアー名まで完璧に覚えている(笑)。
MOCCHI「小6の時、CLUB CITTA'川崎に友達と2人で(Xの)フィルム・ギグに行ったら同じような人がいっぱいいたんですよね。Toshiが30人ぐらいいて、HIDEも30人ぐらいいて(笑)。〈こういう世界なんだ!〉と思ってすごく衝撃を受けて、そこからどっぷりハマッちゃいました」
HIROMITSU「高1の時に(MOCCHIと)いっしょにバンドを始めたんですよ。高校は違うんですけど、出会ったきっかけも〈高1なのにXのライヴに行ってる奴がいる〉みたいな感じで友達に紹介してもらって」
MOCCHI「同年代ではあんまりいなかったんですよね。それでhideさんのソロ『HIDE YOUR FACE』が出て、〈こういう世界もあるんだ!〉ってまた衝撃を受けて」
HIROMITSU「Xのhideさんの世界観って、例えば“CELEBRATION”だったり“JOKER”だったり、いわゆるX流儀、というかハロウィン的なものとはちょっと違ったLAメタルというのか、ハード・ロックのいうのかっていう印象が強かったのに、hideさんのソロはものすごいポップな要素が出ていたのが意外だった。いろんなものを持ってるんだなーって」
小林「確かにXの曲のなかでhideさんが作るものは異彩だったと思います。“SCARS”っていう曲がすごく好きだったんですけど、YOSHIKIさんの世界は様式美というか、完成度が高く構築されたものだと思うんですけど、hideさんはもっと曲のコアにあるものがカジュアルに出てる印象があって、センス一発でいく曲が多い気がして。それはあとから考えたことなんですけど、やっぱり別物として捉えていました。僕はもともとXから入ったんですけど、能動的にのめり込んで聴いたのはhideさんのソロのほうなんです。Xは不良のイメージがあって、ヤンキーの先輩がみんな好きだったんですよ」
HIROMITSU&MOCCHI「(笑)」
小林「栃木の田舎では不良はみんなXを聴いていて、hideさんのソロはヤンキーよりはチーマーが聴いていたというか(笑)。僕はどっちかというとhideさんが好きでしたね」
HIROMITSU「僕らは東京ですけど、Xのヤンキー気質にビビッと来ちゃったところはありますね。MCでも〈気合い入れろ!〉とかいうのが好きだったし(笑)」