絢香 『レインボーロード』

[ interview ]

　絢香、3年ぶりとなるオリジナルフルアルバム『レインボーロード』がついに完成した。収録されているのは、昨年NHK連続テレビ小説｢花子とアン｣の主題歌として日本中の朝を彩り、国民的ヒットとなった、“にじいろ”を含む全13曲。内、12曲が大型タイアップとなっている、まさに<ベスト オブ ベスト>な内容。音を楽しむ喜びに溢れ、たくさんのチャレンジが詰まったポジティブなアルバムだ。

私にとって最高傑作だと言える今回のアルバムが完成した時、目の前にどこまでも続く七色の道がハッキリと見えたんです

聴き終わると、気持ちが自然と前向きになっているような絢香のニューアルバム『レインボーロード』。その制作期間について尋ねると、生き生きとした表情でこう語ってくれた。

「復帰してからの3年間、とにかく音楽をやっていて楽しい、歌っていて楽しいという気持ちがどんどん増しているんですよ。このアルバムも<今がいちばん楽しい>と言える状況の中で作ってきたので、そんな自分の思いがここにはたくさん詰まっています」

活動休止を経て、復帰のタイミングでリリースされた前作『The beginning』は、自分自身の内面を深く見つめ、掘り下げ、弱さや不安までもがさらけ出されたアルバムだった。

「締め切りもない、もちろんタイアップのお話があるわけでもない、活動休止中の2年間の中で感じる想いを1つ1つ形にした『The beginning』。自分の直感と想いだけで作った、すごく濃い作品でした。その次の年に、初めてのカバーアルバム(『遊音倶楽部～1st grade～』)を制作したんですが、感覚として、これがとても楽しかった！名曲達から学ぶことは本当に多く、シンガーとしてもソングライターとしてもたくさん刺激を受けました。復帰してからツアーも3回まわり、たくさんライブもやってきた中で、感覚として、音楽をやる時の気持ちがどんどん自由になっていきました。<自分>というものがあればどんな曲を表現してもいいんじゃないか、もっともっと自分も楽しめる作品にしよう!そういう感覚の中で、ひとつひとつの曲を作ってきたのがこの『レインボーロード』です」

そこから3年。たくさんの刺激を受けながら作ってきた楽曲からは、これまで以上に表現の幅を広げ、外に向かう絢香の瑞々しいエネルギーが感じられる。タイトルどおり、ライブでみんなと一緒に楽しめる要素をふんだんに取り入れた躍動感溢れる“Have ｆun!!”。結婚するマネージャーに贈ったウエディングソング“ずっとたいせつなキモチ”。現在、第一子を妊娠中の彼女が、この特別な瞬間の気持ちを形にしたかったという“バースデーソング”など、彼女の言葉とメロディで描かれた景色はどれも色彩豊か。また、友人であり、音楽仲間としても交流を続けて来た、Tom Collekiyoが手がけた“No end”、“Lose control”という楽曲には、そのスリリングな世界観をシンガーとして追求した、全く新しい絢香の表現がある。

「私の原点は、まず<歌>。全ては、歌うことが大好きということから始まっているんです。シンガーソングライターとして、自分から生まれた曲や言葉を自らの歌で表現したいというのがベースにはありますが、一人の<歌い手>としていろんな曲を歌いたいという願望もずっとありました。Tomは音楽仲間の紹介で知り合った友人なんですが、初めて彼のデモテープを聴いたとき、そのセンスに一瞬にして心を奪われました。英語と日本語を織り交ぜての言葉遊びやメロディの持って行き方など、彼の曲には、洋楽をたくさん聴いて育って来た私の好きなポイントがたくさん詰まっている。徹底的に歌を突き詰めるという作業は新鮮だったし、すごく楽しかったですね」

<らしさ>と<意外性>が見事なバランスで同居する本作に付けられたタイトルは、『レインボーロード』。そこには彼女のこんな思いが込められていた。

「昨年、“にじいろ”という曲がきっかけとなって、より幅広い世代の方に自分の音楽を届けることが出来ました。新たな人が私の音楽に出会ってくれたあの喜びはすごく大きなものだったし、その“にじいろ”も収録されているこのアルバムを通して、<もっと絢香の音楽を聴いてみよう>とか<初めて絢香の歌、いいと思った>という人がひとりでも増えてくれたら、そんな幸せなことはないなって。だからこそ、自分の枠を飛び出して新しいチャレンジをしたり、もっともっと良い作品を作りたい！という気持ちでこの『レインボーロード』を完成させました。ジャンルの垣根を越えた彩り豊かな楽曲達が並ぶ、私にとって最高傑作だと言える今回のアルバムが完成した時、目の前にどこまでも続く七色の道がハッキリと見えたんです。その景色をアルバムのタイトルにしようと思い、<レインボーロード>と名付けました」

　　出産後早々に、秋からは全国ツアーが始まり、来年はいよいよデビュー10周年。

「デビューした頃に比べると、今の私はいろんなものが削ぎ落とされ、考え方や生き方がすごくシンプルになってきた気がしています。今、自分が何を一番大事にすべきか？ということを見失わないように、これからも音楽を楽しんでいきたいなと思っています」

■album……『レインボーロード』4/15 on sale!!

1. number one

2. Have fun!!

3. ありがとうの輪

4. No end

5. ツヨク想う

6. beautiful

7. 幻想曲

8. Lose control

9. Through the ages (セルフカバー ver.)

10. ずっとたいせつなキモチ

11. ちいさな足跡

12. バースデーソング

13. にじいろ