インタビュー

[Alexandros] 『ALXD』

          

[Alexandros]の2年ぶり5枚目のフルアルバムのタイトルは、『ALXD』。そう、事実上のセルフタイトルだ。5年間のインディーズ活動を経て、今年3月にユニバーサルミュージックとグローバル契約を締結。シーンに登場した当初から<世界で勝負する>と言ってはばからない彼らの夢が、このアルバムを機に大きく動き出す。


このアルバムを作って、ひたすらいい音楽を作っていきたいというシンプルな思いにたどり着くことができた


年間のインディーズ活動を経て、今年3月にユニバーサルミュージックとグローバル契約を結んだ[Alexandros]。インディーズデビュー当初から本気で<世界で勝負する>と言ってはばからない彼らの夢が、いよいよ具体的に動き出した。<世界>という言葉が大言壮語ではないという証明をここからしていく。いつからロックバンドは大きな夢を描かなくなったのだろう? そんな疑問を木っ端微塵にぶち壊すように[Alexandros]は進撃する。2年ぶり5枚目のフルアルバムとなる『ALXD』で、[Alexandros]は不敵なロックイズムを堂々と更新している。先行シングル“ワタリドリ/Dracula La”の取材時に川上洋平(Vo.&Gt.)「ニューアルバムは混沌とした内容になりそう」と、また磯部寛之(Ba.)「初期衝動感がすごくあるアルバムになると思います」と語っていた。これは、まさにそういうアルバムだ。

“ワタリドリ”で幕を開け、まずは爽快かつ感動的な風が耳を吹き抜けるが、そこから“Boo!”、“ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead”、“Famous Day”という獰猛な迫力をもってロックの快楽を咆哮する楽曲が続く。この序盤の流れが象徴的なように、[Alexandros]は本作でどこまでもロックの自由を謳歌している。そのうえで川上がクリエイトするメロディの強度とスケール感が飛躍的に向上していることも特筆したい。



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川上
「前作からの2年弱をそのまま表したアルバムになったと思います。自分でも曲が格段によくなったと思っていて。アルバムが完成してジョギングしながら聴いたりしてるんですけど、“ワタリドリ”はあらためてすげえいい曲だなと思ったし、“Boo!”のような激しい曲はバンドマンとしてライブで早く演奏したいと思う」

磯部「自由なアルバムができたなと思います。“Dog 3”、“ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead”をはじめけっこうキワドいアレンジをしてる曲もいっぱいあるんですけど、ここまでやりたい放題やれたのはメロディが抜群にいいからなんですよね。逆に“can't explain”のようにどっしりしたビートの曲には深みを出せたと思うし。音楽的な振れ幅をまた広げることができましたね。それはこの2年弱でフェスの大きなステージから見た光景やその刺激が反映されている部分もあると思います」

白井眞輝(Gt.):「制作期間を長く設けることができたのもよかったです。1曲1曲作り込むことができて、音と音が激しくぶつかり合ってるなかにも聴きやすさがあると思う。曲のよさにプラスして、音楽的な進化もかなり感じられるし。音楽家として出し切ったアルバムになりました。あとは、洋平のプロデュース能力が頼もしかったですね。このバンドはプレイ的なスタイルはバラバラなんだけど、洋平のプロデュース力があるからちゃんと塊になるというか」

 庄村聡泰(Dr.)「今回の制作は、ひとりのドラマーというより、[Alexandros]を構成するひとりの人間として曲のなかに入り込めた実感があるんです。1曲1曲カメレオンのようにグルグル表情を変えながらドラムを叩くのが自分の理想なので。それができつつ、ほかのメンバーが織り成す音に自分もより深く潜り込めた結果としてこのアルバムがあると思います。あと、やっぱりロックソングの主役って歌なんですよね。歌をよく聴かせられたら悪いことなんて何もない。結果的に僕のドラムもよく聴こえるし。ほかの楽器だってそう。この2年弱でそういう発想になれたのはとても大きな変化です」

 



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作品全体のムードがとにかくギラギラしているのが、いい。このギラついたマインドこそやはり[Alexandros]の真髄である。

川上「僕たちはやっぱりどれだけいい曲を作っても、ラブソングを歌っても、バラードを歌っても、やっぱり常に悔しさがあって。結局それが原動力なんですよね。それがあるかぎり自分たちはロックバンドなんだって思います。ただ、ここからは、バンドの根本的な部分をもっと強化したいですね。結成から6年、これまではとにかく多くのリスナーに知ってもらいたいという思いでイケイケドンドンって感じだったんですよ。ひたすら突っ走ってきた。このアルバムを作れたことで、今後はひたすらいい音楽を作っていきたいというシンプルな思いにたどり着くことができたんです。その結果として、世界一のロックバンドになれたらいいと思います」

■ALBUM…『ALXD』 6/17 on sale!

■Song List

01.ワタリドリ

02.Boo!

03.ワンテンポ遅れたMonster ain’t dead

04.Famous Day

05.Adventure

06.can’t explain

07.Buzz Off (Interlude)

08.Oblivion

09.Leaving Grapefruits

10.Dracula La

11.Droshky!

12.Dog 3

13.Run Away

14.Coming Summer

 

■Live…[Alexandros] TOUR 2015 "ご馳走にありつかせて頂きます"

10/09(金) 横浜BAYHALL
10/17(土) 富山MAIRO
10/18(日) 金沢EIGHT HALL
10/25(日) 静岡SOUND SHOWER ark
10/31(土) 広島BLUE LIVE
11/01(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
11/03(火・祝) 高松OLIVE HALL
11/07(土)・08(日) 新潟LOTS
11/12(木)・13(金) 仙台Rensa
11/15(日) Zepp Sapporo
11/19(木)・20(金) Zepp Nagoya
11/23(月・祝) Zepp Fukuoka
11/25(水)・26(木) Zepp Namba
12/05(土) 沖縄ナムラホール

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記事内容:TOWER+ 2015/6/10号より掲載

 

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2015年06月10日 00:00

ソース: 2015/6/10

TEXT:三宅正一(Q2)