日本オペラの金字塔、黛敏郎の『古事記』を日本初の舞台上演!
今年で、開館50周年を迎える、東京文化会館。50周年記念フェスティバルのメインとして、黛敏郎のオペラ『古事記』が上演される。オーストリア・リンツ州立劇場の委嘱により作曲された、黛晩年の大作である。2001(平成13)年10月、演奏会形式で日本初演されたが、1996(平成8)年の世界初演から15年を経てようやく、舞台版日本初演が実現する。
「古事記」は黛敏郎(1929~1997)にとってライフ・ワークとも言える題材だった。当初、日本語でオペラにするつもりだったところ、劇場側の要望によってドイツ語(古風なドイツ語)で書かれ、テーマの普遍性に照らして、あえて和楽器の使用を避け、オーソドックスなオーケストラ編成で書かれたという経緯が伝えられている。音楽評論家の片山杜秀氏は、「素朴な喜怒哀楽をたたみかけてゆく神々の物語は、まさに黛その人の姿に重なる。おおらかで逞しい音楽が全編にみなぎる」と語っており、力強くスケール感あふれる作品でありながら、親しみの感じられるものとなっている。
今回、「古事記」誕生1300周年(2012年)の前年に、本邦初の舞台上演が実現されることは、日本の音楽界においてもエポックメイキングな出来事となるだろう。
東京文化会館50周年記念フェスティバル 記念オペラ『古事記』
黛 敏郎:オペラ『古事記』
全4幕 原語(ドイツ語)上演/字幕付
ドイツ語台本:中島悠爾 校訂:G.フッセネガー
大友直人(指揮)岩田達宗(演出)
イザナギ:甲斐栄次郎(Br)
イザナミ:福原寿美枝(Ms)
スサノヲ:高橋 淳(T)
アマテラス:浜田理恵(S)
オモイカネ:妻屋秀和(B)
アシナヅチ:久保田真澄(B)
天つ神/クシナダ:天羽明惠(S)
使者:吉田浩之(T)
語り部:観世銕之丞
風の神/見張りの神:門間信樹(Br)
雨の神:清水理恵(S)
雷の神:羽渕浩樹(Br)
雲の神:高橋華子(Ms)
合唱:新国立劇場合唱団/日本オペラ協会合唱団
管弦楽:東京都交響楽団
島 次郎(舞台美術)前田文子(衣裳)沢田祐二(照明)高野美智子(振付)三澤洋史(合唱指揮)菅原多敢弘(舞台監督)
11/20(日)23(水・祝)14:00開演
会場:東京文化会館 大ホール(JR上野駅公園口前)
http://www.t-bunka.jp/50th/anniversary4.html
料金:
S席16,000円 A席13,000円 B席10,000円 C席8,000円 D席6,000円
E席4,000円 F席 SOLDOUT! 学生2,000円