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第21回 ─ ジャパノヴァ

連載
Discographic  
公開
2003/11/20   13:00
更新
2003/11/20   17:05
ソース
『bounce』 248号(2003/10/25)
テキスト
文/bounce編集部

刺激的でカラフルな作品が登場する昨今のJ-Popシーンに、確かに根付きはじめているボサノヴァ。なかでも、本場ブラジルのフレイヴァーを吸収し、さらに自分たち流に解釈&ブレンドして、新たなサウンドが構築された作品が増えている。ここでは生演奏を主体とした〈Acoustic Side〉と、打ち込みをベースとした〈Dance Side〉に分けてご紹介! とってもユニークで心地良い和製ボサノヴァ――名付けて〈ジャパノヴァ〉!!

Acoustic Side 生音を最大限に活かした、オーガニックな和製ボサノヴァを楽しむならこちら! その1

saigenji『la puerta』 Happiness(2003) 日本におけるブラジル音楽シーン(?)の新たな扉を豪快かつ軽快に蹴破り、シーンを牽引するひとりにまで成長した野生&風雲児。九州男児の熱き血によるセクシーで躍動感のある音楽は、かなりマニアックなのに確かなジャパニーズ・ポップスたり得てるところがフレッシュ!(ジョビン)

Ann Sally『moon dance』 ビデオアーツ(2003) ピリッとした緊張感を湛えた空気。最小限の編成を活かし奏でられる数々の名曲たちには、ボサノヴァの音響的で繊細な気配りを抽出し溶け込ませたようなクールネスを感じる。エモーショナルな曲でも決してヒステリックにならないその歌声には、厳しく優しい眼差しが宿っている。(駒井)

Asa festoon『Felicidad!』 インター(2002) 現在、ラテン/ブラジル音楽のアーシーで自由奔放な面を歌でもっとも体言している日本人シンガーといえば、彼女だろう。情熱的なのにキュート。野性的なのに哀愁がある。自身がダイナミックに音を楽しんでいるさまが浮かんでくる。これはロベルト・フォンセカと制作されたデビュー作。(駒井)

orange pekoe『Modern Lights』 BMGファンハウス(2003) エリス・レジーナをこよなく愛すナガシマトモコの歌唱が、藤本一馬のブラジル、サンバ、スウィング、そして西ロンドンのブロークンビーツまで果敢に採り入れた試みの上で踊る。念願のビッグバンドにも挑戦したライヴ感溢れる一枚。20代前半にしてはあまりに突出した技量。(西崎)

VARIOUS ARTISTS『Felicidade』 東芝EMI(2003) ボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルトの日本降臨を祝って、彼を敬愛する日本のアーティストたちがそれぞれ彼のナンバーをカヴァーしたコンピ。ヴェテランから新人まで、正統派から遊びまくった異端派まで、有名無名問わず、神様への愛情に溢れた良質な快感盤。(ジョビン)

naomi & goro『turn turn turn』 333(2002) moose hill、RAMなどで活躍するギタリストの伊藤ゴローが紡ぐ繊細なメロディーと、naomiの大らかなヴォーカリゼーションが魅力のデュオ。シンプルでオーガニックなボサノヴァの一面と、アンビエントな音響が共存した傑作。ジョアン・ジルベルトなどのカヴァー曲も収録。(立野)

ヒガシノリュウイチロウ『Samba03』 Zona Sul(2003) ライターとしても知られ、自身の音楽サイト〈これがボサノヴァ〉も大盛況という、根っからブラジルに魅せられている彼の、それはそれは情感たっぷりな歌唱とギター・プレイを、鬼才ヲノサトルがアレンジ。saigenjiにも通ずる心の音楽、男の哀愁と色気。(西崎)