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第11回 ─ 永遠のウィルソン・ピケット

ソウル・リイシューは今年も豊作!!

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2006/03/02   15:00
ソース
『bounce』 273号(2006/2/25)
テキスト
文/出嶌 孝次

 新しい年を迎えようと、過去に残された音源の素晴らしさはそこに在り続ける……とか気取ったところで、今月も定番から激レア音源までリイシュー作品を紹介しよう。最初はサム・クックを3タイトル。まず、ベスト盤『The Best Of Sam Cooke』は“You Send Me”のようなド定番からオリジナル・アルバム未収録の名曲“Bring It On Home To Me”(上掲のピケットも歌った)までを収めた便利なスタンダード集。続く『One Night Stand! Live At The Harlem Square Club』は、黒人の観衆を前にレコードとはまったく異なる荒々しい歌声を披露した63年録音のライヴ盤で、〈黒すぎる〉との理由で85年まで世に出なかった音楽史上屈指の伝説盤! 残る『Night Beat』もゴスペルやブルースをスマートに昇華した逸品だ。なお、以前紹介したアル・グリーンのファースト・アルバム『Back Up Train』もこのたび日本盤化された。お次はレアもので、マニア垂涎のシングル3枚を70年代に残して消えた謎のシンガー=ダロンドーの音源をまとめた『Let My People Go』がラヴン・ヘイトから登場。昨年のコンピ『Giles Peterson Digs America』で脚光を浴びた人だが、ブルージーでジャズやラテンの要素をまぶした音楽性はお洒落アイテム扱い禁止!! 最後はこれまたレアなヴォーカル・グループ、ステージ・コーチの『Playing Games』。80年代ファンクが並ぶなかに激甘なバラードが挿入された、甘党にオススメのお宝盤ですよ。


サム・クックのライヴ盤『One Night Stand! Live At The Harlem Square Club』(RCA/BMG JAPAN)

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