NORMAN CONNORS
『The Best Of Norman Connors』 Buddah
ノーマン・コナーズのブッダ/アリスタ時代の代表曲がCDで聴けるのは、現在このベストのみ。マイケル・ヘンダーソンが伸びのある声で歌い込む“You Are My Starship”、そのヘンダーソンとジーン・カーンが上品に熱唱する“Valentine Love”、フィリス・ハイマンが歌うスタイリスティックス曲のジャジーなカヴァー“Betcha By Golly Wow”など、ノーマン流のメロウネスに酔いしれるばかりだ。
VITAMIN E
『Sharing』 Buddah/THINK!(1977)
表題曲となった濃密なバラード“Sharing”で知られる男女3人組の、唯一のアルバム。メロウでモダンな“Newsroom”も人気だが、グループの核となるポール・ティルマン・スミスが以前吹き込んでいた同曲の原版(後に発掘)を聴いてみると、逆に本作でプロデュースにあたったノーマンがいかに洗練されたセンスの持ち主であったかがよくわかる。エムトゥーメイ&ルーカスの初期仕事も聴ける一枚。
AQUARIAN DREAM
『Fantasy』 Elektra /ワーナー(1978)
ノーマンがプロデュース活動に乗り出した頃に送り出した肝煎りユニットの2作目。後にスターシップ・オーケストラに取り上げられる快活なジャジー・ダンサー“You're A Star”を筆頭に、西海岸の腕利きミュージシャンを従えてパワフルで開放感のあるサウンドを繰り広げたアーバン・ファンクの秀作だ。新リードになったシルヴィア・ストリップリンのキュート・ヴォイスも響き渡る。
PHAROAH SANDERS
『Love Will Find A Way』 Arista(1978)
ノーマンを見い出したファラオ・サンダースへの恩返しとして、成長を遂げたノーマンが恩師をプロデュース。もちろん主役はファラオのサックスだが、ノーマンの制作らしくフィリス・ハイマンをヴォーカリストに迎えるなどしてコンテンポラリーな度合いを強めたジャズ・アルバムとなった。ノーマン作の“As You Are”やマーヴィン・ゲイ“Got To Give It Up”のカヴァーなど、ソウル濃度も高い。
AL JOHNSON
『Back For More』 Columbia /ソニー(1980)
ワシントンDCのユニフィックスにいたシンガーで、78年に出したローカル盤『Peaceful』収録曲の再録も含むノーマンのプロデュース作。AOR方面でも人気の“I've Got My Second Wind”も再録で、ノーマンが手掛けたここでのヴァージョンを聴けば彼のアーバンなセンスが手に取るようにわかる。ジーン・カーンと歌った“I'm Back For More”も洒落たミッドで、サンプリングのネタとしても人気だ。
STARSHIP ORCHESTRA
『Celestial Sky』 CBS/Expansion(1980)
ノーマンのバック・バンドとして70年代後半から活動を続けていたグループが人員削減をして放った唯一のアルバム。同じノーマン一派だったアクエリアン・ドリームの“You're A Star”のカヴァーで始まるメロウかつアーバンなジャズ・ファンク盤で、西海岸の腕利きを従えてボッサな曲からEW&Fばりの壮大なオーケストラル・ソウルまでを繰り広げる。絶頂期のノーマンの才気迸る快作だ。
PHYLLIS HYMAN
『Can't We Fall In Love Again』 Arista(1981)
ノーマンの秘蔵っ子で、彼の出世にもひと役買ったフィリス・ハイマン。このアリスタからの3作目では恩人であるノーマン(及びチャック・ジャクソン)がプロデュースにあたり、絶頂期にあった彼らしいアーバンかつダンサブルなサウンドでフィリスの魅惑的なヴォーカルを引き出した。旧友のマイケル・ヘンダーソンとの久々のデュエット“Can't We Fall In Love Again”も話題に。
DONNIE WILLIAMS & PARK PLACE
『Just Like Magic』 Champ Change(2007)
元ヴァイタミン・Eのポール・ティルマン・スミスがノーマンの助力を得て立ち上げたユニット=パーク・プレイス(2002年に『The Invisible Man』を発表)を従えた近年のR&B盤。〈アメリカン・アイドル〉のファイナリストだった主役のドニーは、ノーマンも演奏で参加した70年代風のウェルメイドなトラックに乗って味のある歌を聴かせる。ラトーヤ・ロンドンほかゲストも豪華だ。