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第42回 ─ 星に願いを

冬の風に札束が舞うソウル・リイシュー!!

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2009/12/16   18:00
更新
2009/12/16   18:04
ソース
『bounce』 316号(2009/11/25)
テキスト
文/出嶌孝次

  出費のかさむ季節ですが、お歳暮やクリスマスなんか無視ですね。まずはアイズレー・ブラザーズのモータウン時代を総括した2枚組『The Motown Anthology』(Motown)をピック。ロッド・スチュワートも新作で取り上げた名曲“This Old Heart Of Mine”など、品行方正なレーベル・カラーと本来のセクシーな荒々しさが爽やかにせめぎ合う良曲揃いです。モータウンものでは、シュープリームス&フォー・トップスのコラボ作3枚をまとめた『Magnificent: The Complete Studio Duets』(Hip-O)も素晴らしくマストな出来映え! 野郎ども4人の勇ましい格好良さはもちろん、70年代のシュープリームスももっとマトモに評価されるべきです。

 お次はブレンダ・ハロウェイがモータウン以前に残した音源を集めた『The Early Years』(Ace)。かの“Every Little Bit Hurts”のデモや未発表音源もあるお宝集です。で、プレ・モータウン作ってことで強引に繋げば、ブラッドストーンの76年作『Do You Wanna Do A Thing?』(Atlantic/Collectors' Choice)も世界初CD化されました!

 また、バディ・マイルス・バンドの73年作『Chapter VII』(Columbia/Wounded Bird)も唐突に世界初CD化されていて、バンド・オブ・ジプシーズの流れを汲むロッキッシュな感触が楽しめます。レディシが先日カヴァーした“Them Changes”もボーナス収録! さらにはウィルソン・ピケットの71年作『Don't Knock My Love』(Atlantic/Collectors' Choice)もようやくCD化となりました。表題曲は〈ドリフの早口ことば〉の原曲で、それ以外にもブラッド・シャピロらしい泥臭ファンキーな佳曲だらけ! 最後はシルヴェッティの76年作『World Without Words』(Salsoul/Unidisc)。有名なトム・モウルトン・ミックスになる前の、オリジナル“Spring Rain”のほか、〈夏雨〉と〈冬雨〉も入った麗しのイージーリスニング盤です。

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