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DANCEHALL REGGAE

II それでは実際に聴いてみよう!――(1)

連載
Di(s)ctionary
公開
2010/07/22   15:27
更新
2010/07/22   15:27
ソース
bounce 322号 (2010年6月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/茂呂尚浩

 

VARIOUS ARTISTS 『Reggae Anthology: Channel One Story』 VP

70年代半ばから80年代半ばまで多くのミュージシャンやエンジニアを輩出した、初期の生音ダンスホールを語るうえでは外せないシーンの中心的な名門レーベル、チャンネル・ワン。そこに残された名曲ばかりを37曲も収録した2枚組の必携盤です。

YELLOWMAN 『Duppy Or Gunman』 Volcano/VP(1982)

チャンネル・ワン所有のスタジオを拠点とした重要レーベル、ヴォルケイノから発表された、非常に多作だった彼の人気絶頂期の一枚。初期ダンスホールのエース級DJで、アルビノというハンデを負った彼の人気ぶりはいまで言うならマヴァード、カーテル級。

VARIOUS ARTISTS 『Riddim Driven: 1985 Sleng Teng Extravaganza』 VP

レゲエを生音から打ち込みに転換させ、新たな時代を拓いた歴史的モンスター・トラックのワンウェイ(ひとつのリディムだけでまとめられたコンピ)。時代の節目ごとに幾度となくリメイクされ続ける、妖しいダンスホール・グルーヴの基本かつ原点。

TENOR SAW/NITTY GRITTY 『Tenor Saw Meets Nitty Gritty』 VP

〈アウト・オブ・キー(=音痴?)〉と呼ばれた初期ダンスホール独特の唱法を得意とした伝説的2大シンガーの対決アルバム(85年に発表)に、貴重なボーナス・トラックを追加して全16曲のヴォリュームとなった豪華盤。2人とも故人なのが悲しい。

SUPER CAT 『Don Dada』 Columbia(1991)

伝説的な人気ラバダブ・セット、キラマンジャロの看板DJだった彼が全米進出を成功させた名盤。前時代からのトースティング技術を受け継ぎ、それをダンスホール、さらにはヒップホップ・トラックにも適応させた作品としてもオリジナリティーが光る一枚です。

SHABBA RANKS 『Shabba Ranks And Friends』 Epic

上掲のキャットに先駆けて全米進出を果たし、グラミー賞を2度受賞するなど、ダンスホールを最初に世界に知らしめた功労者。野太くセクシーな声と迫力満点のフロウで、87年頃から90年代前半のシーンを席巻した存在です。これはそんな彼のコンビ曲をまとめたベスト盤。

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