BUJU BANTON 『'Til Shiloh』 Loose Cannon/Island(1995)
ラスタ復活の狼煙を上げた名盤。彼がラスタ化することにより、薄れ気味だったジャマイカの音楽シーンにおけるラスタの影響力が活性化しました。ナイヤビンギの新解釈など、ルーツ・レゲエの要素をダンスホールと融合させることに成功しています。
BEENIE MAN 『Monster Of Dancehall』 Greensleeves
子供の頃にキャリアをスタートさせ、90年代半ばからライヴァルのバウンティ・キラーと抗争を繰り返しながら、15年以上に渡って時代を牽引してきた〈キング・オブ・ダンスホール〉。ベスト盤的な内容の本作を通じて、その天才的なスキルが確認できます。
SEAN PAUL 『Dutty Rock』 VP/Atlantic(2002)
途絶えてしまっていたダンスホールの世界進出をふたたび推進した、新時代のスーパースターによる出世作で、ジャマイカ録音の楽曲として初の全米チャート首位に輝いた“Get Busy”を収録。それ以外の曲もヴァラエティーに富み、アルバムとしての高い完成度が世界標準の証。
SIZZLA 『Da Real Thing』 VP(2002)
現在のラスタ・アーティストのなかでは過激かつ攻撃的な部分も多く、燃え上がるようなシャウト系の曲で人気を博してきた彼。これは全編生音を用い、ミディアムテンポの大らかなフィーリングで作り上げられた2000年代の名盤です。大定番の母賛歌“Thank U Mama”を収録。
ELEPHANT MAN 『Good 2 Go』 VP/Atlantic(2003)
ダンスホールの魅力のひとつである〈ダンサー〉文化。みんなで同じ振り付けを踊る楽しさ、そのムーヴメントの旗手として、新しい踊りの発信源として人気者となった彼のメジャー・デビュー盤です。ポップな内容も広く親しまれました。
VYBZ KARTEL 『The Teacher's Back』 Big Ship(2008)
前述のビーニーvsバウンティ同様、ライヴァルのマヴァードとの抗争を繰り広げながら現行シーンのトップをひた走るエース級DJが放った、現時点での最高傑作。高いスキルによるロング・リリックやその内容の深まりは、新時代ダンスホールの奥行きを感じさせる。