CALVIN RICHARDSON 『America's Most Wanted』 (2010)
南部男によるシャナキーでの3作目は、軽やかなステッパーズから黄昏ソウル、ハイ・サウンド風まで、またも一途にソウル道を追求。前作ではボビー・ウォマックのカヴァー集を堂々披露しているし、移籍後の絶好調ぶりには目を見張る。*池谷
KEKE WYATT 『Who Knew?』 (2010)
MCA発のデビュー作に続く9年ぶりの2作目……なのだが、その間に2枚のアルバムがお蔵入り。そんな彼女を救ったのがシャナキーだった。アンダードッグズ一派やL・ヤングらが手掛けるメロディアスなミッド・スロウを中心に、芯の通った美声を聴かせる秀作だ。*林
MAYSA 『Metamorphosis』 (2008)
いまやすっかりシャナキーの住人となったメイザ。ジャズ名曲を歌った最新作のひとつ前にあたる本盤は、レックス・ライダウトやアンジェラ・ジョンソンらが制作したジャジーでスムースなR&B盤だ。深みを湛えたアルト・ヴォイスはインコグニート時代から不変。*林
DENIECE WILLIAMS 『Love, Niecy Style』 (2007)
ラヴリーな歌声の持ち主を10年ぶりにカムバックさせたのもシャナキーだった。クール&ザ・ギャングなどのカヴァーを聴かせつつ、ゲストにスティーヴィー御大やフィリップ・ベイリーを迎えて彼女の経歴を思い出させ、新曲でシメる構成が粋だ。*池谷
SILK 『Always And Forever』 (2006)
90年代の名グループがシャナキーと契約した時は驚いた。が、プリンスの“Adore”などセクシーな名曲が絶品のハーモニーで披露されまくる様は贅沢で、クインシーの“Secret Garden”やMJの“The Lady In My Life”など、ロッド・テンパートン絡みの3曲は特に麗しい。*出嶌
LEELA JAMES 『Let's Do It Again』 (2009)
シャナキーお得意のカヴァー盤ながらもスムース・ジャズ系ではなく、ピリッとタイトな生バンドに乗せてJBやブーツィー、ストーンズまでを痛快に歌う。ライヴ感のある激唱はオリジナル作以上で、ソウルフルなだけでない彼女のファンク気質が表れた好企画だ。*池谷
NORMAN CONNORS 『Star Power』 (2009)
元祖スムース・ジャズなヴェテラン・ドラマーの最近作。ソウルフルな男性シンガーとジャジーな歌姫を招き、知られざる才能にも光を当てる〈ゲスト立て〉の流儀は相変わらず。シャーデーやマイケル・ジャクソン曲のカヴァーもスムースだ。*林
GLENN JONES 『Forever』 (2006)
シャナキーお得意のカヴァー集だが、半端なく歌えるこの男がソウル/R&B名曲に挑めば無敵だろう。“Here I Go Again”のセルフ・リメイクはもちろん、トニ・ブラクストン“Another Sad Love Song”やトニ・トニ・トニ“Anniversary”といった90s名曲もグレン流の熱いソウルに変身。*林