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シャナキー

ディスクガイド――(2)

連載
Discographic
公開
2010/12/16   15:09
更新
2010/12/16   15:10
ソース
bounce 327号 (2010年11月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/池谷昌之、出嶌孝次、林 剛

 

ANN NESBY 『This Is Love』 (2007)

サウンズ・オブ・ブラックネスのリードも務めた大御所シンガーが、カヴァー作に続いてオール新曲で挑んだシャナキーでの2枚目。アーバン・ゴスペル畑の制作陣による穏やかな美麗ミディアムに加え、フィリー調やお約束のハウスも入れてガツンと歌声を響かせる。*池谷

KARL DENSON'S TINY UNIVERSE 『Brother's Keeper』 (2009)

ブルー・ノートにソロ作も残すサックス/フルート奏者の別ユニット作品。カール自身のアーシーな歌声がまろやかに披露される内容で、演奏はケネス・クラウチやミシェル・ンデゲオチェロら……と書けばソウル好きも聴きたくなるでしょ。*出嶌

GEORGE CLINTON 『The Gangsters Of Love』 (2008)

いわゆるPファンク的な音を期待すると確実に裏切られる、クリントン親分のソウル名曲カヴァー集。とはいえ、風変わりなアレンジとヘロヘロな歌との合体はいかにも親分らしい。スライやエル・デバージをシャバに引っ張り出してくるあたりも流石。*林

HIL ST. SOUL 『Soulidified』 (2006)

USデビューを果たした当初はメインストリーム寄りな曲もやっていたのだが、シャナキーに移ってからの2作は初期からのパートナーであるVRSとの共作を中心に、UKソウルらしいスムース路線が際立つ良作をリリース。ドゥウェレ参加曲なども加わったことで広がりも見せた。*池谷

MIKI HOWARD 『Pillow Talk』 (2006)

80~90年代初頭にR&Bシーンの前線で活躍し、最近はB・ハワードの母親として知られる彼女。クワイエット・ストーム回帰した近作に続く本カヴァー集は、シルヴィアのエロ曲を表題に冠した通りの熟れた香気を放っている。ボズ・スキャッグス“Lowdown”が爽快。*出嶌

3 TENORS OF SOUL 『All The Way From Philadelphia』 (2007)

スタイリスティックス、デルフォニックス、ブルー・マジックというフィリー3大甘茶グループのテナーが集結して歌った、シャナキー屈指の名企画。ホール&オーツやビラルも招き、各々が自慢のファルセットで主張し合った好盤だ。*林

STREETWIZE 『Put U To Bed』 (2009)

キム・ウォーターズらが同時代のアーバン・ヒットをジャズ・カヴァーするという、シャナキー版〈Unwrapped〉的なプロジェクトがストリートワイズだ。この最新作ではJ・ホリデイ“Bed”やT・ペイン“Chopped N Skrewed”といった難曲のスムース解釈がおもしろい。*出嶌