第48回を二度繰り返すというボンクラ状態でいま気付いたのですが、この連載も今回で50回を迎えました……が、アニヴァーサリー感は皆無で参りましょう。年末年始にあった膨大なリイシューを紹介するのもいまさらながら、メル&ティム、ロイ・リー・ジョンソンなどBGPから出たスタックスものは逸品揃い。なかでも世界初CD化となったサンズ・オブ・トゥルースの72年作『A Message From The Ghetto』(Gospel Truth/Stax/BGP/Pヴァイン:1)は、真摯なメッセージが肉厚なグルーヴを纏ったゴスペル・ファンクの名盤ですよ。
また、そのスタックスからEW&F軍団へと旅立ったエモーションズの78年作『Sunbeam』(ARC/Columbia/Expansion:2)も久々にCD化されています。ヒットした“Smile”を筆頭に、絶頂期のEW&Fフレイヴァーが満開。長らく廃盤状態の続いている他タイトルも出してほしいですね。で、同作や別掲のロニー盤も含めて精力的な復刻を進める英エクスパンションからはもう一枚、デヴィッド・シモンズの79年作『World Belongs To Me』(Fantasy WMOT/Expansion:3)が世界初CD化! テディ・ペンダーグラス好きならチェックしておきたいフィリーの重要作であります。
最後は毎度の審美眼で良品を掘り出してくるヌメロから、ウィリー・ライトの77年作『Telling The Truth』(Variety/Numero:4)が世界初CD化! ケブ・ダージがコンピで紹介したカーティス・メイフィールドのカヴァー“Right On For The Darkness”で脚光を浴びたNYのシンガー・ソングライターで、アルバム全体はテリー・キャリアーに通じる素朴なフォーキー・ソウル。5インチのアナログ盤シングルが付いてくるのもイイ感じです。
▼文中で紹介した作品。
左から、サンズ・オブ・トゥルースの72年作『A Message From The Ghetto』(1)、エモーションズの78年作『Sunbeam』(2)、デヴィッド・シモンズの79年作『World Belongs To Me』(3)、ウィリー・ライトの77年作『Telling The Truth』(4)