生誕100周年を期に関連作品が連発中!
1938年に27歳で急逝したブルースマン、ロバート・ジョンソンが生誕100周年を迎えた。2枚しかない写真やクロスロードの伝説、謎の死などによって神格化だけは深まっているが、知名度のわりに遺した楽曲自体の魅力は知られていないのが現状だろう。そこで便利なガイドブックになるのが日暮泰文の「RL——ロバート・ジョンスンを読む」だ。日本におけるブルース研究の第一人者である著者らしく、世界中のスキモノによる推論や深読みも再検証しながら故人の足取りを丹念に追うことで伝説を引き剥がし、全曲解説や妄想小説までも織り込んだ恐ろしく濃い読み物になっている。ロックの超基本盤『The Complete Recordings』をリマスターして、遺された29曲42テイクを完全収録した『The Centennial Collection』も出たことだし、この夏はデルタに脳内旅行して悪魔に出会ってみてはいかがでしょう。
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、日暮泰文の著書「RL——ロバート・ジョンスンを読む」(ブルース・インターアクションズ)、ロバート・ジョンソンの編集盤『The Centennial Collection』(Columbia/ソニー)