やけのはら 『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』(2010)
“Rollin' Rollin'”でレイドバックしたライミングの虜になった向きは多いはず。横浜出身のラッパーによる初のオリジナル作。STRUGGLE FOR PRIDEの12インチに収められた“Summer Never Ends”も別ヴァージョンで収録され、盟友DORIANらに加え、竹久圏の参加もfelicityらしい? *宮内
THE BITE 『ポケットにブルース』(2010)
felicityにも作品を残すBREAKfASTでギタリストとして活躍していた酒井大明を中心に結成。ボブ・ディランやニール・ヤングに通じる土臭さを匂わせたパンクでソリッドなバンド・サウンドと、乾いた色合いの叙情的なリリック。まさに現代の路上から生まれたブルースだろう。*宮内
カジヒデキとリディムサウンター 『TEENS FILM』(2010)
日本のネオアコ・シーンのアイコンと、最新作では新感覚のネオアコを提示した5人組のコラボ盤は、80sギター・ポップの甘酸っぱさに両者のリスナー気質が刻み込まれた、胸キュンも甚だしい作品に。Riddim Saunterの解散を受けてか、今年の〈フジロック〉出演をもって活動休止へ。*土田
石橋英子 『carapace』(2011)
PANIC SMILEやアチコとのデュオなどでのマルチ奏者ぶりのみならず、シンガー・ソングライターとしても良作を残してきた彼女。七尾旅人らを迎えた前作は即興色も強かったが、ジム・オルークとタッグを組んだ本作は、前衛性すら美しい調和のなかに溶かし込んだ〈歌〉が中心の作品に。*土田
シグナレス 『NO SIGNAL』(2011)
池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)×ゆーきゃんのユニットによる初作。ニュー・オーダーとスーパーカーの脆さをチルウェイヴ以降の質感で現代化した、凛としてサイケな逸品。ナイーヴな歌声が素晴らしい“ローカルサーファー”は、やけのはらのリミックスも聴きもの。*出嶌
さよならポニーテール 『モミュの木の向こう側』(2011)
ネット上で話題になり……というか、メンバーの露出はいまもヴァーチャル世界に止まったまま。イラストや音楽を中心にセピアな物語を構築する謎の集団の初作は、その完成度の高いサウンドを聴けばfelicity発というのも納得。仄かな毒も闇も内包した、正統派なシティー・ポップ集だ。*土田
サイプレス上野とロベルト吉野 『YOKOHAMA LAUGHTER』(2011)
ヨコハマが誇るジョーカーもfelicityに電撃移籍! その一発目となるこのミニ・アルバムは、渡辺俊美やDORIAN、GUNHEADらを招いた賑々しい内容に。NORIKIYOやPPP勢の参加、クレイジーケンバンドのリミックスなども引っ括めて、神奈川シーンを彩り豊かに切り取ってみせている。詳細は次号! *出嶌