「世界のいろんな国の音楽を勝手に解釈してやっちゃえ!がコンセプト」(ドリー)という、言わば〈ザ50回転ズ流ワールド・ミュージック〉集。カリビアン、アイリッシュ、ハワイアン、スウィングなどに挑んではいるもののアレンジはいずれも自己流だ。
「(それらのジャンルの)本職の人にちょっとやそっとで敵うわけないじゃないですか(笑)。だったらいっそ〈こんな感じ?〉みたいなノリで曲を作ったほうが楽しい。50年代とか60年代のシングル1枚で消えていったようなガレージ・バンドってこんな感じだったと思うんですよね」(ダニー)。
60年代、ビートルズやストーンズでさえ魅せられたインドのシタールを採り入れるなど、現地の匂いを音に込めた。ダニーいわく、「無邪気な妄想ありきなロックの幸せなロマンティシズム」を本作で実践したということなのかもしれない。
▼関連盤を紹介。
左から、ビートルズの65年作『Rubber Soul』(Parlophone/Apple)、ローリング・ストーンズの66年作『Aftermath』(Decca)