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第8回――【今月のレポート盤】RIDE 『Going Blank Again 20th Anniversary Edition』

連載
ろっくおん!
公開
2012/09/19   00:00
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)
テキスト
構成/レバテキ


ロック好きの大学生が集まって放課後タイムにダラダラおしゃべり! 専攻科目よりも皆さんロック史の研究に夢中なようですね!!



【今月のレポート盤】RIDE 『Going Blank Again 20th Anniversary Edition』 Creation/DIFFUSE ECHO

眩い夏から物憂い秋へ移り行く合い間の宙ぶらりんな季節。ここはT大学キャンパスの外れに佇むロック史研究会、通称〈ロッ研〉の部室であります。

弘明寺素子「ねえねえ、まりあちゃんって彼氏いるの?」

汐入まりあ「急に何ですかっ!?」

弘明寺「だって凄いカワイイから、気になるよ〜!」

汐入「いえ、あの、私はモコ先輩みたいに美人でもグラマーでもないですし、ただのオタクですし……」

杉田俊助「Hey! ガールズ・トークにミーも交ぜてヨ! 確かにモコとマリーアのバスト・サイズを比べると……Oh〜ジーザス! でもこの前、3号館のロビーでマリーアがイケメンにナンパされる姿を見たヨ!」

弘明寺「わ〜、その話、聞きたい!」

杉田「凄いツンツンした態度で断っていたけどネ、Ha! Ha! Ha!」

汐入「いえ、あの、私はまだ男性とか……。あ、いま流れているのはライドの2作目『Going Blank Again』ですよね!」

弘明寺「そう、モコが買ってきたんだよ! でもいまはライドより恋バナね!」

生麦 温「みんな〜、お茶煎れたよ! モコさん、これって20周年記念盤ですよね?」

弘明寺「オンちゃん、いまは恋バナの最中だよ!……と言いたいところだけど、ライドには目がないので語ってあげよう! この〈20th Anniversary Edition〉には92年に行われたロンドン公演のDVDが付いているんだけど、華奢なマーク君はじめ、みんな若くて青臭くて泣いちゃいそうだよ!」

杉田「マイブラと同じクリエイションに所属したシューゲイザー・バンドだよネ? マイブラはフェイヴァリットだけど、ライドは聴いたことなかったヨ!」

生麦「実は僕もライドはよく知らないんです。P69に載っているリンゴ・デススターとか、〈ニューゲイザー〉と括られているようなマイブラ・フォロワーはわりと好きなんですけど」

汐入「オン先輩のような方って案外多いみたいですね。でも、ウチの両親いわく〈当時、一般的にはマイブラよりもライドやラッシュのほうが人気だったと思う〉って」

杉田「それは信じられないナ!」

汐入「シーンの先導役としてマイブラの存在は大きかったようですけど、いまのように神格化はされていなかったと教わっています。ほら、6月号の〈PEOPLE TREE〉でもそういったことが書かれていましたよね!?」

生麦「う〜ん、だけど、やっぱり僕も信じ難いな。だって『Loveless』なんて神名盤だよ」

汐入「お風呂を覗くような人(9月号参照)に信じてもらわなくても結構です!」

生麦「あ、あれは……すみません」

弘明寺「モコは断然ライド派だよ! だってマーク・ガードナーもアンディ・ベルもカワイイでしょ?」

汐入「アイドル的な人気もあったんですよね」

生麦「アンディってその後オアシスに加入して、いまはビーディ・アイのギタリストですよね? カワイイですか?」

杉田「というか、モコが好きなのはルックスだけってこと?」

弘明寺「そんなことないよ、音楽性も好きだよ!」

杉田「Oh! モコの口から〈音楽性〉なんて初めて聞いたヨ!」

弘明寺「むぅ〜」

生麦「サイケなのに思いのほかドライヴ感のある演奏は、最近だとディアハンターとかに近い雰囲気もありますね」

汐入「ライドはマイブラよりもロックっぽくて、フォルムが明確というか。意外にダイナミックですし」

弘明寺「でもこのアルバムは轟音だけじゃなくてアコースティックな要素があるのもイイんだよね! いま流れている“Twisterella”のキラキラ感なんて、まるでトラキャンみたいだよ!」

杉田「あのオトコハツライヨとかいう?」

弘明寺「それは両さんだよ!」

汐入「いや、寅さんですっ! でもって、トラキャンはトラッシュキャン・シナトラズの略称です!」

杉田「それにしても、ここまでくると全然シューゲイザーとは呼べないネ」

弘明寺「いいんだもん! シューゲイザーじゃなくて、ライドはライドだもん!」

杉田「わかったから、そろそろ恋バナをリプレイしようヨ!」

弘明寺「あっ、忘れてた! じゃあ、まりあちゃんの初恋から聞かせて!」

汐入「絶対にイヤですっ!」

珍しくキャピキャピしたガールズ・トークに花が咲くのかと期待していましたが、やっぱり彼らはロック談義に脱線(?)してしまうようですね。【つづく】



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