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第8回――【今月のレポート盤】RIDE 『Going Blank Again 20th Anniversary Edition』

連絡ノート

連載
ろっくおん!
公開
2012/09/19   00:00
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)
テキスト
文/戸部伝太


部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう! 何やらおもしろそうなリイシュー盤が紹介されていますよ!!



こんなノートがあることを小生はついぞ知りませんでしたが、シューゲイザーにも恋愛談義にもとんと興味がないので、手慰みに最近入手したCDについて一筆。

まずはいちばんの大収穫、キンクスのほぼ全期に渡るBBC音源を5枚のCDにまとめ、さらに貴重なライヴ映像などが満載のDVDまでプラスした物凄いボックス・セット『At The BBC』(Island/ユニバーサル)。当然ながらほとんど聴いたことのない音源だらけですし、時系列に曲が並べられているので、サウンドの変遷も実にわかりやすい。キンキー・マニアには感涙必至、文句のつけようがない宝箱ですな。

続いて、フラッシュ&ザ・パンの79年作『Flash & The Pan』(Ensign/Mercury/Renaissance/エアメイル)も嬉しい紙ジャケ化。もっとも、嬉しいのは小生のようなB級英国ロック好きだけかも知れませんがね。いかにもニッチな遊び心に満ちたモダン・ロックンロールの魅力は、どうせ〈ロッ研〉の諸兄にはわからんでしょう。

さてお次はドイツのシンフォニック・バンド、ノヴァリスの79年作『Flossenengel』(Ahorn/MARQUEE)。同郷のロマン派詩人、ノヴァーリスから名を取っているだけあって叙情的でドラマティックな作風が美しいのですが、演奏は思いのほか力強くて頼もしい。いわゆるクラウト・ロックとは異なる、ドイツ産プログレの名品ですよ。

最後は前衛ロック界の巨匠、チャールズ・ヘイワードの87年作『Survive The Gesture』(Ink/HAYABUSA LANDINGS)。ディス・ヒートからキャンバーウェル・ナウを経た後の初ソロ作品で、ストイックさと自由奔放さが同居したような独特のサウンドと、御大の上手くはないが凄みのある歌声が素晴らしい。それまでのキャリアを集大成したアヴァン・ポップの傑作ですな。オン殿やジョン殿も、たまにはこういった高尚な音楽と触れ合うべきですぞ。



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