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第61回――歌うラリー・グラハム

オークランドから広がったファンク・ファミリー

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2012/10/24   00:00
ソース
bounce 349号(2012年10月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


CSの新作にも参加したラファエル・サディークといえば最新作『Stone Rollin'』にもラリーの歌をフィーチャーしていたが、両者を繋ぐのはラファエルがトニ・トニ・トニ時代から貫くオークランド・ファンクの血脈に他ならない(ドウェイン・ウィギンスもソロ作にラリーを招聘)。その源泉はもちろんファミリー・ストーンの面々で、ラリーはスライ兄妹らとフレンチ・フライズなる冗談バンドでも音源(編集盤『Listen To The Voices: Sly Stone In The Studio 1965-70』に収録)を残している。

また、GCS結成に前後して登場したベティ・デイヴィス『Betty Davis』は、ラリーをはじめ、ファミリー・ストーン離脱組のグレッグ・エリコ、GCSやタワー・オブ・パワーの構成員がフル援護したベイエリア・ファンクの裏名盤なので必聴。そのTOPからはホーンズがGCSに客演していたり、同じくベイエリアで名を馳せたコールド・ブラッドも交えてミュージシャンの相互乗り入れが盛んだったり、このあたりの感触が好きならどこから聴いてみても間違いはないはずだ。



▼関連盤を紹介。
左から、ラファエル・サディークの2011年作『Stone Rollin'』(Columbia)、スライ・ストーンの関連音源を集めた編集盤『Listen To The Voices: Sly Stone In The Studio 1965-70』(Ace)、ベティ・デイヴィスの73年作『Betty Davis』(Just Sunshine/Light In The Attic)、タワー・オブ・パワーの74年作『Back To Oakland』(Warner Bros.)、コールド・ブラッドの73年作『Thriller!』(Reprise)