LARRY GRAHAM 『Victory』 Warner Bros.(1983)
石田純一ライクなジャケの装いが眩しい! 引き続きジョージ・デュークを参謀に迎え、トレンディーなデジタル・ファンク“Just Call My Name”からややマッチョになった歌声で快活に飛ばす。ポール・ジャクソンやジェリー・ヘイらが並ぶ布陣の安定感はスリラー時代の西海岸ならでは。前作から顔を出してきた息子のダリックも大幅にコーラス参加している。 *出嶌
GRAHAM CENTRAL STATION 『Ain't No 'Bout-A-Doubt It』 Warner Bros.(1975)
激烈ファンク“The Jam”に代表されるヘヴィーでワイルドなGCSスタイルを突き詰めた3作目。タワー・オブ・パワーのホーン隊も参戦したオークランド・ファンク絶頂期の一枚だ。アン・ピーブルズ“I Can't Stand The Rain”もルーズなファンク仕立て。“Luckiest People”では後のバラディアーとしてのラリーの姿が目に浮かぶ。 *林
LARRY GRAHAM WITH GRAHAM CENTRAL STATION 『Star Walk』 Warner Bros.(1979)
名義の変化を見るまでもなく夫人だけを伴ったジャケの通り、ここでのGCSはバックバンド状態に。ギャラクティックなシンセの煌めく長尺ディスコ“Star Walk”での美しいファルセットなど、歌唱面も大きく進歩。少しフィリー風の“Tonight”でロマンティックに喉を震わせる姿は、ソロとなる次作を予見させるものだった。 *出嶌
LARRY GRAHAM 『Fired Up』 Warner Bros.(1985)
ワーナーからの最終ソロ作。ソロ転向後、GCS的なファンクはほぼ封印していたが、ナラダ・マイケル・ウォルデンとエウミール・デオダートを制作陣に迎えた今作では、ジャケでの姿が伝える通りチョッパー・ベース全開で重量級のファンクをブチかます。一方、ステファニー・ミルズらを従えて歌ったバラードはアーバニズムを極め、濃密な空気を醸し出している。 *林
GRAHAM CENTRAL STATION 『Mirror』 Warner Bros.(1976)
ライヴの定番となるマーチングの“Entrow”で幕を開けるヒット作。表題曲などでは録音後に脱退したチョコレートが歌い、“Priscilla”ではその後任となったゲイル“ベイビーフェイス”マルドロウのパワフルな歌唱で押したり、バンドの過渡期を映す鏡となった? コーラスの厳かな“Love”やラリーが亡父に捧げた“Forever”など神聖な色彩も濃い。 *出嶌
LARRY GRAHAM 『One In A Million You』 Warner Bros.(1980)
ラリーのソロ第1弾。大ヒットとなったサム・ディーズ作の表題曲を筆頭にロマンティックなスロウ・バラードが並び、野太い低音で優しく歌うバラディアーとしての姿を印象づけた一枚である。ドリームラヴァーズのドゥワップ名曲“When We Get Married”もラリーらしいチョイスだろう。モダンでアーバンなダンサーやスライ風のミディアムも登場。 *林
PRINCE 『Rainbow Children』 NPG(2001)
それ以前からライヴのメンバー紹介に“The Jam”を使っていたプリンスだけに、ラリーと結び付くのは必然だった。98年にNPGから出た『GCS2000』は入手困難なので、ラリーがNPGメンバーとして演奏やコーラスに全面参加した本作をひとまず紹介しておく。なお、ラリーはそれ以前にプリンスの妹=タイカ・ネルソンのプロデュースを手掛けたこともあった。 *出嶌