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electraglide 2013

SHERWOOD & PINCH

連載
360°
公開
2013/11/13   17:59
更新
2013/11/13   17:59
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
文/青木正之


最強のタッグが放つ最強の低音を、私たちはどう受け止めるべきか!?



Sherwood&Pinch_A



世界で初となるライヴを〈SonarSound Tokyo 2013〉で披露した、ベース・ミュージック・シーン激震のタッグ=シャーウッド&ピンチ。言わずもがな、革新的なダブ・レーベルのOn-Uを設立し、UKに独自のレゲエ・カルチャーを根付かせたエイドリアン・シャーウッドと、ブリストル・ダブステップ界の顔役として八面六臂の活躍を見せているピンチ——まるで親子ほどの年齢差があるこの2人が、このたび『The Music Killer EP』をリリースする。

すでにフル・アルバムを完成させるには十分のマテリアルが揃っているようだが、リスナーのはやる気持ちをじらすように、まずは挨拶代わりにドロップするという格好らしい。しかしながら、〈なんだEPか……〉と侮ることなかれ。ここには新曲“Music Killer”の2ヴァージョンや、今年6月にOn-Uとテクトニックがダブルネームで12インチ&デジタル・リリースした“Bring Me Weed”“Weed Psychosis Mix”、さらに先日ニンジャ・チューンから『Vapor City』を発表したばかりで、同じく〈エレグラ〉への参戦も決定しているマシーンドラムのリミックスまで収められている。エイドリアンが何十年もの歳月をかけて蓄積してきた知識と感覚に、ピンチが探求している新しいビートやサイケデリックな要素を融合した、ダンサブルなニュー・サウンドを味わえる本作は、ベース・ミュージック・フリークにはたまらないご馳走となるはずだ。

〈SonarSound〉での初ライヴ時は、タイミングの悪いことに爆弾低気圧が日本列島を横断していたため、会場に足を運べなかったファンも多いかと思う。その雪辱を果たすべく、ふたたびチャンスが〈エレグラ〉で用意された。低音好きにとって忘れられない一夜になることは間違いない! 



▼関連盤を紹介。
左から、エイドリアン・シャーウッドの2012年作『Survival & Resistance』(On-U)、ピンチの編集盤『Missing In Action 2006-2010』(Tectonic)

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