タイトなリズムに身を委ね、未体験の熱狂を手に入れろ!
今年4月にリリースした5枚目のアルバム『Thr!!!er』で、持ち味のひとつであったパンキッシュなテイストを排除し、リズム・オリエンテッドなディスコ・バンドへと変貌を遂げた!!!。バンド史上もっともタイトかつファンキーなグルーヴを手にした彼らから、〈エレグラ〉への出演直前に『Thr!!!er』収録曲のリミックスを中心とした7曲入りのEP『R!m!x!s』が届けられる。
この作品は、ディスコDJなら誰しもがバッグに忍ばせておきたいエクステンデッド・ミックスから、ソファーにもたれてまどろみたくなるようなチョップド&スクリュードまで、リミキサーのカラフルなパーソナリティーで染められている。白眉は原曲のハネるベースラインを強度のある硬質なサウンドへと加工した、モーリス・フルトン製の“One Girl/One Boy”だろう。ゴリゴリと唸るベースの存在感、そしてそのベースに導かれた漆黒のグルーヴが饒舌に躍動する様は圧倒的だ。
そしてモーリスと並んで見逃せないのが、カルト的な人気を集めるNYのレーベル、ミスター・サタデー・ナイト周辺での活動でお馴染みな新進気鋭の2人、アンソニー・ネイプルスとアレックス・バーカットの参加だ。両者ともテクノやアシッド仕様の大胆なアレンジを施していて、その仕上がりに度肝を抜かれること必至。また、本EPにはアルバム未収録のレア音源が収められていることも付け加えておこう。
さて、『Thr!!!er』と『R!m!x!s』を引っ提げて来日する!!!だが、代官山・UNITで開催された今年7月の単独公演に行った人(もしくは噂を耳にした人)は、〈エレグラ〉において彼らのステージをもっとも楽しみにしているのではないだろうか。ニュー・アルバムのリリースから間もないタイミングで実現した先のライヴは、すぐさまチケットがソールドアウト。ショウのオープニングを飾った“Get That Rhythm Right”から、小振りなハコならではの緊張感がフロアを支配し、会場は異様な熱気に包まれていた。特にバンドが生み出す怒涛のグルーヴは、いままでにない次元まで高められ、〈最狂のライヴ・アクト〉なる称号がこれほどまでに似つかわしいと感じた瞬間はなかった。とにかく強烈なパフォーマンスだったのだ。
過去に何度も来日している!!!なので、ライヴを体験済みの方も多いとは思う。しかし、より強靭なサウンドを体得したいま、生で彼らを観ておかなければきっと後悔することになるだろう。
▼!!!のアルバムを紹介。
左から、2010年作『Strange Weather, Isn't It?』、2013年作『Thr!!!er』(すべてWarp)