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【vol.3】――花澤香菜、中島愛など……〈二次元以上。〉スペシャル!

中島愛

連載
二次元以上。〜brilliant sounds from 2D and over
公開
2014/02/26   17:59
更新
2014/02/26   17:59
テキスト
文/北野 創


歌い手としてのピュアな魅力を感じ取れる自然体の新作



中島愛_A



2013年12月2日、突如発表された中島愛の音楽活動休止宣言に衝撃を受けた人は多かったはずだ。アニメ「マクロスF」の歌姫ランカ・リー役の声優として脚光を浴び、2009年に歌手デビューしてからはコンスタントに良作を届けてくれた彼女。フレッシュな輝きのなかに微かな憂いも湛えた、まるで大人びた少女のように複雑な表情を持つその歌声には、刹那的な魅力がある。

そんな彼女が活動休止を前に、ファンへの感謝の気持ちを形にしたのが、今回のニュー・アルバム『Thank You』。とはいえ、ことさらに別れを強調するようなことはなく、今回も純粋に良い曲を丁寧に積み上げていった結果の自然体な作品という印象だ。土方隆行(ギター)と山木秀夫(ドラムス)のバカテクが炸裂するフュージョン調の“愛の重力”で幕を開け、かつてSMAP仕事で鳴らした長岡成貢によるスペイシーなライト・ファンク“Carry Out!”、ラスマス・フェイバー製のハウシーな“マーブル”と続く立ち上がりのアッパーな構成は、まさに圧巻の一言。その後も、北川勝利が提供したファンキーなブラス・ポップ“Mamegu A Go! Go!”、チアガール風の〈L-O-V-E〉コールも楽しい“Megu2 Magic”などを交えながら、賑やかに進行していく。

一方で、尾崎亜美が書き下ろしたシングル曲“ありがとう”での柔らかくも切々とした歌い口には余計に心を揺さぶられる。コトリンゴのピアノのみをバックに、目に見えないものの大切さを歌う“とうめいにんげん”から、何か別の意味を見い出したくなるのも事実だ。だが、そんな感傷を抜きにしても、本作からは〈まめぐ〉という歌い手のピュアな魅力を感じ取ることができるだろう。

また、彼女が2013年9月に東京・中野サンプラザで行ったデビュー5周年公演のライヴ映像作品「5th Anniversary Year's Final Live メグミー・ナイト・フィーバー」も登場。ラスマスとの共演やランカ名義の代表曲“星間飛行”を含むベスト・セットなパフォーマンスに加え、これまでの全PVも収録した2枚組となる。ぜひこちらもチェックを!



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