女性ラップの魅力と効能について考えてみる
例えばm-floの新作で浜崎あゆみがラップに挑戦しているように、あるいはいとうせいこうのリリックでラップしていたももいろクローバーZが今度は鎮座ドープネスやEVISBEATSとコラボすることを明かしているように、もしくはハロー!プロジェクト全般においてラップ表現が昔から普通のことであったように、ラップ・パートの導入や曲単位でのトライという行為は、チャレンジ精神旺盛なアイドルに限らず、多くの女性アーティストにとってより一般的なヴォーカル表現の選択肢となって久しいです。一方で、いわゆる女性MCの作品がより広い層のリスナーから支持を集めるというケースも見受けられるようになってきました。
つまり、このようにして新奇さがなくなってくると結局は個々がどのようにラップしているかが重要になるわけで……本稿ではヒップホップ的かどうかといった部分はあえてスルーして、女性の喋りをヴォーカルとしていかに機能させているのか、その魅力がどのように各々の作品に活かされて個性となっているのかを、この好況から探ってみましたよ!
▼関連盤を紹介。
左から、m-floのニュー・アルバム『FUTURE IS WOW』(rhythm zone)、ももいろクローバーZの2013年作『5th Dimension』(スターチャイルド)、モーニング娘。'14の編集盤『モーニング娘。'14 カップリングコレクション2』(zetima)、MARIAの2013年作『Detox』(SUMMIT)、Moe and ghostsの2012年作『幽霊たち』(UNKNOWNMIX)、COPPUの2011年作『Twilight』(in ditch)、Negiccoの2013年作『Melody Palette』(T-Palette)