クラシック タワーレコード企画盤 TOP20
2025年のタワー企画盤TOP20は定評ある往年のアナログ録音の名盤が上位を占めました。なかでも、没後20年となるF.グルダの'70年代の音源が1位と3位に、そしてミケランジェリやテューレックのDG録音、ルービンシュタインやニコラーエワといったピアニストが多くランクインしたのも特徴です。また歌詞対訳付のオペラ2作がTOP10に入りました。SACDの人気も引き続き継続しています。最新の復刻技術を用いたタワー企画盤に今後もご期待ください。
1位 モーツァルト: ピアノ協奏曲第20番・第21番・第25番・第27番(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/フリードリヒ・グルダ/クラウディオ・アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
グルダが1974年と翌年にDGへ収録したモーツァルトの4曲のピアノ協奏曲は、グルダが生前本当に満足していると語った数少ない録音です。柔らかで豊かな音色が特徴で、ウィーンにおいての理想的なモーツァルト像といえます。今回の最新の高音質化により、明確さと粒子の細かさがより引き立ちました。
2位 ワーグナー: 管弦楽曲集(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/ハンス・クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
1962年11月にミュンヘン・フィルと収録したワーグナー2作のアルバムは、クナッパーツブッシュを後年に伝える重要な音源のみならず、その真価を伝える稀有な名盤として長く君臨しています。今回、本国のオリジナル・アナログ・マスターテープを使用したマスターからSACD化。これまでにない鮮度の高い音質でお聴き頂けます。
3位 ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/フリードリヒ・グルダ/ホルスト・シュタイン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
ゾフィエンザールで収録されたフリードリヒ・グルダの代表的録音を、本国のアナログ・マスターテープからDSD化されたマスターを用い、最新でマスタリングを行いSA-CD化。グルダならではの感性溢れるピアノに、格式あるウィーン・フィルとの共演、DECCA録音の優秀さなどが、高度な次元で調和している名盤です。
4位 ウェーバー: 歌劇《魔弾の射手》(全曲)<歌詞対訳付>(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/カルロス・クライバー/シュターツカペレ・ドレスデン/ベルント・ヴァイクル/ジークフリート・フォーゲル
国内盤SACDハイブリッド
DGデビューとなった1973年収録のカルロス・クライバーによる「魔弾の射手」全曲が、新規でマスタリングを行った上でSA-CDハイブリッド化!カルロス・クライバーがドイツ本流のこの傑作オペラをより魅力溢れる作品に仕上げ、作品を知り尽くしたシュターツカペレ・ドレスデンの演奏含め、かつてないほどの名盤として今なお君臨しています。
5位 ショパン・リサイタル(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
国内盤SACDハイブリッド
ミケランジェリが遺した数少ないセッション録音の中でも珠玉の輝きを誇るDGへの「ショパン・リサイタル」を世界初SACD化!そこには完璧なまでの演奏テクニックに支えられた技術の高さの上に、徹底された美意識で統一された様式が加わり、ミケランジェリ以外の誰も到達できないレヴェルで再構築された曲を聴くことができます。
6位 モーツァルト: フルートとハープのための協奏曲(1963年録音&1958年録音)、クラリネット協奏曲(1963年録音&1958年録音)、フルート協奏曲第1番&第2番、他(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/ジャン=ピエール・ランパル/リリー・ラスキーヌ/ジャック・ランスロ/ジャン=フランソワ・パイヤール
国内盤SACDハイブリッド
ランパルがエラートに残したラスキーヌ、パイヤールとの至高のモーツァルト録音を最新でSACD化。「フルートとハープのための協奏曲」とランスロによる「クラリネット協奏曲」は名立たる名盤として君臨してきましたが、今回の復刻では定盤の1963年盤に加え、レア盤である1958年ステレオ録音の旧盤も収録。
7位 ストラヴィンスキー:春の祭典、ペトルーシュカ&火の鳥(1910年全曲&1911年組曲) <完全生産限定盤>(HB/RM)/ピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団/ニューヨーク・フィルハーモニック/BBC交響楽団
国内盤SACDハイブリッド
ブーレーズのCBS録音の中でも特に名演として知られるストラヴィンスキーの三大バレエを新たにリマスターし最新復刻。クリーヴランド管を起用した1969年の「春の祭典」は、音楽の構造を透かし彫りのようにクリアにすることで作品の前衛性を明らかにし、「火の鳥」全曲では、色彩感あふれるオーケストレーションを再現しています。
8位 ワーグナー: 管弦楽曲集(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/RM)/ロヴロ・フォン・マタチッチ/NHK交響楽団
国内盤SACDハイブリッド
今なお数多くの名演が語り継がれている巨匠マタチッチとNHK交響楽団。この名コンビが1968年にセッションを組んで収録唯一録音した巨匠極め付きのレパートリー。ワーグナー音楽の真髄を描き尽くした演奏です。日本コロムビア所有のオリジナル・アナログ・マスターテープからリマスタリングを行い初SACD化。
9位 スメタナ: 歌劇「売られた花嫁」全曲(歌詞対訳付)、<特別収録>歌劇「売られた花嫁」より序曲と3つの舞曲 <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/ルドルフ・ケンペ/バンベルク交響楽団/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/ピラール・ローレンガー
国内盤SACDハイブリッド
スメタナのオペラの代表作である「売られた花嫁」。1962年にバンベルク交響楽団をケンペが指揮しドイツ語版で録音されたもので、東欧色がまだ残るバンベルク交響楽団の素晴らしい音色に加え、ケンペの溌剌とした指揮により、名歌手が生き生きと登場人物を描いている、まさに珠玉の名盤です。歌詞対訳付。
10位 バッハ: 無伴奏チェロ組曲全曲、コダーイ: 無伴奏チェロ・ソナタ <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/ヤーノシュ・シュタルケル
国内盤SACDハイブリッド
シュタルケルが、旧EMI レーベルに収録した記念すべき最初の全曲録音と代名詞的な作品、コダーイも含め最新で復刻。本国のアナログ・マスターテープに遡ってのハイレゾ化により、生々しい音色が蘇りました。シュタルケルらしい強靭な表現と共にスケールの大きいこれらの演奏は高音質化によりさらに魅力を増します。
11位 サン=サーンス: 交響曲第3番「オルガン付き」、フランク: 交響曲 ニ短調(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/マリー=クレール・アラン/ジャン・マルティノン/フランス国立管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
マルティノン指揮による名作2曲をカップリング。フランス国立放送管弦楽団の音楽監督就任直後の収録であるアランとの「オルガン付き」は、フォルムのしっかりとした演奏かつアランの華麗な音色が映える録音です。フランスのオケならではの管楽器の音色を残しながらも適度な推進力を持った厚みのある演奏です。
12位 J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV988 <タワーレコード限定>/ロザリン・テューレック
国内盤CD
バッハのスペシャリストと評されたロザリン・テューレック。「ゴルトベルク変奏曲」は7種の録音を残しており、今作は最後に残した1998年収録のスタジオ録音盤です。彼女のバッハ演奏は非公式ながらもグールドが唯一、演奏を参考にしていたとも言います。演奏時間は91分とゆったりとしたテンポながら多彩さ表情が聴き取れます。
13位 サン=サーンス: 交響曲第3番「オルガン付き」、交響詩「ファエトン」、交響詩「オンファールの糸車」<2025年マスタリング> <タワーレコード限定>(HB/RM)/小澤征爾/フランス国立管弦楽団/Philippe Lefebvre
国内盤SACDハイブリッド
フランス国立管弦楽団との美しくも流麗なフォルムによるこの演奏は、名盤ひしめくこの名曲の中でも大きな輝きを放っています。フランス国立管弦楽団との一体化された上での躍動感や歌い込みが垣間見え、オケを最大限の高みまで導く小澤ならではの神髄を随所に聴くことができます。フランス楽壇ならではの感性を持った名演奏!
14位 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 <完全生産限定盤>(HB/RM)/アルトゥール・ルービンシュタイン/ダニエル・バレンボイム/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
1975年の録音当時88歳の巨匠が繰り出す生命力あふれる雄大な演奏は人類が起こした奇跡の一つ。爽快でチャーミングな第1番や第2番、深みを増した第3番、抒情性溢れる第4番、王者のような風格を持つ第5番と、作品の性格を鮮やかに描き分け、それぞれに込められた作曲家の高潔な精神の輝きを高らかに歌い上げています。
15位 マーラー: 交響曲第2番「復活」、交響曲第3番、大地の歌(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/RM)/朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団
国内盤SACDハイブリッド
最終コンサートとなった1995年ライヴの重量級のマーラー3曲を最新で復刻。強い凝集感に満ちた〈復活〉、名演として知られる〈第3番〉、曲への愛着ひとしおの〈大地の歌〉など、どれも巨匠がもたらす深い音楽の集積が、雄大なスケールとなり、大きな感銘を与えます。今回の復刻のために新規で江崎友淑氏がマスタリング。
16位 ブルックナー: 交響曲第7番、同~リハーサル風景(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/RM)/ロヴロ・フォン・マタチッチ/スロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
マタチッチは最後の来日となった1984年3月の後、6月にリュブリャナに赴き、スロヴェニア放送と収録した放送音源がこの録音。セッション録音としては最後のもので、今回、日本コロムビア所蔵のアナログ・マスターテープからのリマスタリングを行い初SACD化。生命力溢れるあたたかい演奏として、多くの人々の記憶に留まる名演です。
17位 J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集 全2巻~前奏曲とフーガ(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/RM)/タチアナ・ニコラーエワ
国内盤SACDハイブリッド
1984年と85年に当時ニコラーエワ自身が好んで滞在した場所から近い、現日光市・今市文化会館にて、ニコラーエワ本人の強い希望でセッション収録された「平均律クラヴィーア曲集」の全曲録音。演奏は各楽曲に根差していながらもより柔和で自然体なのが特徴です。ニコラーエワでしか成し得ない完成度の高さです。
18位 ドヴォルザーク: チェロ協奏曲、レーガー: 無伴奏チェロ組曲第3番、フランセ: チェロとピアノのための幻想曲(2025年リマスター) <タワーレコード限定>(HB/RM)/アニア・タウアー/ズデニェク・マーツァル/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団/ジャン・フランセ
国内盤SACDハイブリッド
1973年に、28歳で夭逝したドイツ出身のチェロ奏者アニア・タウアー。残された商業録音はわずかで、ここに収録した貴重なDG録音全3曲を本国のオリジナル・アナログマスターから改めてリマスタリングしSACD化。彼女の特質である完璧な技術、類まれな音楽性、感情豊かで情熱的な演奏が美しい録音で捉えられています。
19位 ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」、スケルツォ・カプリチオーソ(1961年録音&1957年ステレオ録音<特別収録>)、ヴァインベルガー:ポルカとフーガ(歌劇「バグパイプ吹きシュヴァンダ」より)(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/ルドルフ・ケンペ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
国内盤SACDハイブリッド
ベルリン・フィルとの「新世界」は1957年9月に収録された旧EMIへのステレオ録音で、この曲を得意としたケンペならではの表現の多彩さと、オケの機能性を十全に活かした名演です。「新世界」は表現が豊かであり、当時のベルリン・フィルの重厚になりがちなバランスを巧みに調整しながらも旋律の歌い回しを重視した演奏です。
20位 チャイコフスキー:交響曲第5番、ヘンデル:王宮の花火の音楽(2025年マスタリング) <タワーレコード限定>(HB/DIGI/RM)/ルドルフ・ケンペ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/バンベルク交響楽団
国内盤SACDハイブリッド
チャイコフスキーは、1959年5月に収録されたステレオ音源で、とりわけ当時まだ残っていたローカル色を残したオケの音色と重厚な響き、ケンペならではの機転の利いた指揮が聴きものです。1962年5月録音のバンベルク交響楽団との貴重な「王宮の花火の音楽」も収録。こちらも堅固な響きながらもケンペの才覚が光る名演です。
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