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注目レーベル~『Edition OMEGA POINT』最新盤のご紹介


注目レーベル『Edition OMEGA POINT』の9月新譜は、2タイトル

諸井誠:作品集(「くさびら」、「S.M.のためのシンフォニア」)と湯浅譲二:「大阪万博・せんい館の音楽」。
日本の電子音楽のパイオニアの一人である諸井誠の1964年のこの作品は、なんと狂言の古典と電子音がミックス!家の庭にどんどん生えてくるキノコに業を煮やし、山伏に退治を乞うものの、呪文も効き目がなく、最後にはキノコの大群に襲われて退散してしまう。諸井らしい初期電子音楽風のプリミティブな音もさることながら、クライマックスで聴かれる激しいノイズと化したコンクレートっぽい音は衝撃的!
またカップリングとして1972年に現代邦楽の第一人者・宮下伸のために作られた曲を収録。当時流行した4チャンネルでの多重録音で、そのシャープな演奏自体素晴らしいが、中盤ではナレーションが入り、それがテープ速度を変えてノイズと化してしまう。どちらも諸井のテープ作品の中でもダントツにアヴァンな曲。
一方、湯浅譲二の作品は、OMEGA POINTの初期より定期的にリリースを重ねてきていますが、本盤も注目です。大阪万博“EXPO'70”が開催されてから約40年。各パビリオンで使用された音楽が発表されていますが、ここでは湯浅譲二による「せんい館の音楽」が収録されていて、貴重なCD化。ちなみに、せんい館は、横尾忠則のデザインで、四谷シモンのオブジェなどが飾られていました。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2011年09月15日 18:00

更新: 2011年09月15日 18:00