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シリアスかつグルーヴィなシネ・ジャズの世界。デイヴィッド・ホルムズ音楽の『エージェント・マロリー』

 エージェント・マロリー

鬼才監督スティーヴン・ソダーバーグは、今まで、作品の性格によって3人のアーティストにそれぞれ、仕事を依頼している。『セックスと嘘とビデオテープ』以来、近作の『コンテイジョン』まで、シリアスな群像ドラマで生かされる、アンビエントながら深いサウンドのクリフ・マルチネス、このコンポーザーらしい『エリン・ブロコヴィッチ』のトーマス・ニューマンに異色なアルフレッド・ニューマン的な王道オーケストラ・サウンドに挑ませたり・・・・そして、遊び心が強くたったグルーヴィな作品で組んできたのが、、そのオーシャンズ・シリーズで映画音楽の世界に入ったDJ、デイヴィッド・ホルムズである。

今回は、ソダーバーグにとって初の本格派アクション映画で、主役にまさしく本物の女性挌闘家を起用し、その周りをスター男優たちで固め、大人の遊びな娯楽色を極めた。そんな娯楽色を演出するひとつの要素がデイヴィッド・ホルムズのクラブ・ミュージックとしてのアプローチによるジャジーなインストゥルメンタルだ。

オーシャンズ・シリーズと違って、主人公には心の余裕はない。オリジナルタイトルの意味(Haywire)も、そんな「混乱して」の意味合いが強いであろう。余裕の洒落たジャズというよりも、よりシリアス味に寄ったサウンドだ。そして、そのテイストで思い浮かぶのは、ラロ・シフリンであったり、ジェリー・フィールディングであったりで、物語そのものや、登場人物の物腰は、あくまで真剣勝負だが、観客には娯楽アクションと割り切って楽しんでもらおう、という作り手としてのスタンス。そんなシリアスながらの遊びのシネジャズが流れている。

 

『オーシャンズ』シリーズや『トラフィック』など、ユニークな娯楽作、人間ドラマを見せる鬼才監督スティーヴン・ソダーバーグが、女性格闘技界の頂点に立つジーナ・カラーノをヒロインに迎えて、真っ向から見せる痛快スパイ・アクション。追われる身となった凄腕エージェントのマロリーの、生身をかけての壮絶な追撃!映画ファンにも嬉しいのは、上司役のユアン・マクレガーを始め、マイケル・ファスベンダー、マイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラス、ビル・パクストン、マシュー・カソヴィッツといった超豪華キャストが脇を固めているところ。本物のアクションが炸裂、ソダーバーグ初の本格的アクション映画の登場!!


エージェント・マロリー
 

 

エージェント・マロリー

 

エージェント・マロリー

 

 

『エージェント・マロリー』
(原題 "Haywire" / 2011年アメリカ作品)
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 ジーナ・カラーノ、マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー
音楽 デイヴィッド・ホルムズ


9月28日(金)より TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー!

 

カテゴリ : ニュース

掲載: 2012年08月21日 13:56

更新: 2012年09月26日 17:16