【MDR Records】~準・メルクル他による新譜のご紹介
掲載: 2013年01月10日 15:18
更新: 2013年01月10日 16:30

“MDR Records”(ライプツィヒMDR交響楽団)レーベルより
2013年リリースの最新盤をまとめてご紹介致します。
同オケの音楽監督を務めてきた準・メルクル指揮による2タイトル(リスト:管弦楽作品集、シェーンベルク:編曲&作品集)とヨハネス・カリツケ指揮によるアイスラー:付随音楽「処置」の98年録音、計3点がリリース。
※アイスラーのアルバムには、1930年に作曲者自身が指揮し、ブレヒトが語ったという歴史的録音がボーナス・トラックとして収録されています。
【曲目】
フランツ・リスト:交響詩集
1.交響詩「プロメテウス」/2.交響詩「前奏曲」/3.交響詩「ハムレット」/4.交響詩「理想」
【演奏】
ライプツィヒMDR交響楽団/準・メルクル(指揮)
【録音】
2011年2月15-18日ライプツィヒMDRスタジオ,オーケストラザール
作曲家、思想家としてのフランツ・リスト(1811-1886)は、19世紀の音楽の発展に決定的な影響を及ぼし、多くの新しい扉を開きました。彼は豊かな想像力で、音楽に表現を与えることを可能とした新しい形式を作成し、これを「交響詩」と名付けたのです。交響曲やソナタなどの決まった形式に囚われず、音楽で描く一つの物語は、ベルリオーズの幻想交響曲に端を発したと思われるロマン派を特徴付ける管弦楽曲の形態です。このアルバムでは、そんなリストの4つの交響詩を聴くことができます。「人生は死への前奏曲である」というラマルティーヌの発想に基づく「前奏曲」、古典の英雄である「プロメテウス」、シェークスピアによる「ハムレット」そしてシラーの詩に基づく「理想」。これらは全てリストの価値観と音楽性が表出された意欲作ですが、「前奏曲」以外はあまり演奏されることがありません。そんな“秘曲”を準・メルクルが鮮やかに演奏、知られざるリストの姿を見事に浮かび上がらせています。
![]()
【曲目】
シェーンベルク:編曲&作品集バロック-モダン
1-3.チェロ協奏曲ニ長調(マティアス・ゲオルグ・モン(1717-1750):チェンバロ協奏曲ニ長調:原曲)/4-7.弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲ロ長調(ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):合奏協奏曲第6番&第7番の自由な編曲)/8.主題と変奏Op.43b
【演奏】
ライプツィヒMDR交響楽団/準・メルクル(指揮)/ヨハネス・モーザー(チェロ)/ディオティマ弦楽四重奏団<メンバー:千々岩英一(ヴァイオリン)/ニコラ・ミリベル(ヴァイオリン)/フランク・シュヴァリエ(ヴィオラ)/ピエール・モルレ(チェロ)>/
【録音】
2008年1月28-31日ライプツィヒMDRスタジオ,メイン・アウディトリウム
比較的良く知られていることですが、シェーンベルク(1874-1951)は素晴らしいアレンジャーでもありました。第一次世界大戦の敗色濃厚なウィーンで「私的演奏協会」を設立し、多くの作曲家の作品を編曲演奏していたこともご存知の方が多いでしょう。このアルバムでは、モンとヘンデルの作品、そしてシェーンベルクのオリジナル作品を収録しています。モンのチェロ協奏曲(原曲はチェンバロ)は、伝説のチェリスト、デュプレやヨーヨー・マなど名だたる奏者が挙って演奏している名曲であり、バロックと現代の要素がミックスされた稀有な作品となっています。また、ダイナミクスやフレージングに美しい色付けがされたヘンデルも聴きものです。日本の名手、千々岩さん主催のディオティマ弦楽四重奏、そしてチェリストのヨハネス・モーザーも良い仕事をしています。
![]()
【曲目】
アイスラー:付随音楽「処置」Op.20
【演奏】
ゲッツ・シュルテ(テノール…第1のアジテーター)/アンゲリカ・ドムローゼ(第2のアジテーター)/ゴットフリート・リヒター(第3のアジテーター)/クリストフ・ザプトカ(第4のアジテーター)/ライプツィヒMDR交響楽団&放送合唱団/ヨハネス・カリツケ(指揮)
【録音】
1998年10月3日
ユダヤ系ドイツ人作曲家ハンス・アイスラー(1898-1962)は、最初シェーンベルクの弟子となりますが、音楽上もしくは政治上の対立からシェーンベルクと訣別。その際、弟子であるにも拘わらず、シェーンベルクに対して「破門状」を送りつけたとして知られています。そんなアイスラーですから、作品にも政治的な香りが強く、とりわけベルトルト・ブレヒトと組んで書いたいくつかの曲は、ジャズ的要素も含まれる極めて特異なものとして発展していきました。ここに収録された「処置」もそんな作品の一つ。1930年に書かれたこの作品はかなり難しい問題を孕んでおり、倒叙物のミステリーとも、また愚かな民衆への教訓劇ともとれる内容です。どうしても日本で聴く場合には「言葉の問題」が付きまといがちですが、一度は聴いておきたい問題作です。1930年にアイスラー自身が指揮し、ブレヒトが語ったという歴史的録音がボーナス・トラックとして収録されています。
カテゴリ : ニューリリース