我が道を突き進む鬼才アファナシエフの帰還~ブラームス:後期ピアノ作品集(作品116、117、118)
掲載: 2014年05月02日 16:04

1992年度のレコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝いた名盤から20年余り、アファナシエフがブラームスに帰還しました。以前のデフォルメ感タップリな演奏とは違った、より自然体に近づき、ブラームスが晩年に達した孤高の境地を余す所無く引き出した一期一会の演奏です。
鬼才ヴァレリー・アファナシエフ2013年来日公演時のライヴ録音、待望のブラームス作品集の登場です。アファナシエフのブラームスといえば、なんといっても1992年度レコードアカデミー賞(器楽曲部門)に輝いた名盤「後期作品集(作品117,118,119)」、そしてその続編(作品116ほか)(ともにDENON)が知られていますが、20年という歳月を経てアファナシエフの解釈がどのように変化したのか、ひじょうに興味深いところ。じっさい、その印象は大きく異なります。トレードマークだった遅いテンポや意表をつくような表現は影をひそめ、音楽はより自然へと近づきました。60代も半ばを越した巨匠は、ときに無愛想に、なんら特別な演出をほどこすことなく、作品自体にすべてを語らせます。特筆すべきはピアノの音の美しさ。それ自体が発光しているかのような、精妙な陰影とニュアンスに満ちた音(サウンド)。もはや形而上学までも超えてしまったような、前人未踏の世界。融通無碍の境地に名人が遊んでいるともいうべき一期一会の演奏が、ここには刻まれています。(若林工房)
【曲目】
ブラームス:
・幻想曲集 作品116
・3つの間奏曲 作品117
・6つの小品 作品118
【演奏】
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
【録音】
2013年6月15日
東京 紀尾井ホール(ライヴ)
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