マツーエフ&ゲルギエフ最強コンビによる凄すぎる協奏曲集
ゲルギエフと、彼がもっとも信頼を寄せるピアニスト、マツーエフが異なる時代に生まれたロシアのピアノ協奏曲3篇に挑戦。いずれも両者のCDとしては初レパートリーで期待できます。
3篇とも作曲者自身が弾くために作られ、それぞれがソロを受け持った録音も残っています。すべて難技巧が要求されますが、マツーエフの巨大な技巧は何の苦もなく再現。ラフマニノフの1番はマツーエフお気に入り作品のひとつとのことで、説得力満点。ことに指がもつれそうなピアニズムの続くフィナーレも、一切の曖昧さなく駆け巡り爽快。若きラフマニノフの希望と心意気がにじみ出ます。ストラヴィンスキーもほとんど「春の祭典」のように聴こえ、曲の凄さを再認識させてくれます。
シチェドリン作品の録音は、作曲者立ち会いのもとで行われています。旧ソ連時代の1966年の作ですが、十二音技法とジャズの手法を用いた斬新な作風。ジャズバンド風になり、ヴィブラフォンやドラムスまで参加、マツーエフもノリに乗り、カッコ良さの極み。シチェドリンはリハーサルから積極的に立ち会い、意見を交換したりアドヴァイスをもらったりと、まさに生きた音楽となっています。
マツーエフのピアノ以上に雄弁なのがゲルギエフ指揮のオーケストラ。ストラヴィンスキーの「カプリッチョ」は、2009年の来日公演でトラーゼとの演奏を聴かせてくれましたが、ますます骨太になり面白さが倍増しています。また得意なシチェドリン作品も堂に入っていて、ジャズの部分などまるでビッグバンド風。ゲルギエフ才気煥発のアルバムと申せましょう。(キングインターナショナル)
【収録曲目】
(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調Op.1(改訂版)
(2)ストラヴィンスキー:カプリッチョ (1949年改訂版)
(3)シチェドリン:ピアノ協奏曲第2番
【演奏】
デニス・マツーエフ(Pf)、ワレリー・ゲルギエフ(指)マリインスキー劇場管
【録音】
2014年11月16日(1)、2015年4月6、7日(2)(3)/マリインスキー・コンサート・ホール
【仕様】
SACD Hybrid盤。マルチ・チャンネル5.0
【収録時間】
60’ 00”
特報!
〈2015年8月31日まで! 〉マリインスキー・レーベル、ゲルギエフ・キャンペーン2015〈31タイトル〉 はこちら>>>
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2015年08月05日 15:30