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お笑いコンビ・シソンヌのじろう著『甘いお酒でうがい/川嶋佳子』出版記念、特別インタビュー

甘いお酒でうがい/川嶋佳子

2014年の「キングオブコント」でコント日本一に輝き、2016年に結成10年を迎える実力派お笑いコンビ・シソンヌ。ネタのおもしろさや演技力の高さはもちろんのこと、ボケのじろうとツッコミの長谷川忍が織りなす独特な世界観とお洒落さを兼ね備えたネタは、「芸人が最もライブを見に行くコンビ」とも称され、業界関係者からの支持も熱く、今や単独ライブのチケットは連日売り切れるほどの人気ぶり。最近ではお笑いのみに留まらずドラマや舞台など活動の幅を広げています。
そんなシソンヌのじろうが長年コントの中で演じてきたキャラクター“川嶋佳子”。
独身40代の平凡な女性“川嶋佳子”に巻き起こるちょっとしたついていない日常を綴った日記が出版されました。
誰にでも覚えのある人生の物悲しさに共感せずにはいられない。その悲しさを「乗り越える」のではなく「付き合っていく」姿は、人生を楽しむための小さなヒントと言えます。

※有料サイト<ケータイよしもと>に2012年6月~2013年10月に連載されていた「川嶋佳子の『甘いお酒でうがい』」に加筆・修正し、書き下ろしとして「2015年9月、10月」を加えたものです。

今回、『甘いお酒でうがい』を出版した“川嶋佳子”さんについて、
彼女に代わって(?)シソンヌじろうさんに話を聞いてみました!!

―今回出版に至った経緯を簡単に教えていただけますか?

1年前くらいに出版社の方から声をかけていただいのですが、その方が少し前にシソンヌのことを知って好きになってくれたみたいで、単独ライブも観にきてくれたりして、ケータイよしもとの連載も見てくれて、それで川嶋佳子さんの本を出しませんかと声をかけていただきました。

―この“川嶋佳子”さんはコントの中で描かれている人物とのことですが、いつ頃誕生したキャラクターなのですか?

22歳くらいからやってるんで、かれこれもう10年以上前ですね。だいぶ長い付き合いですね(笑)

―女性が登場するネタが多いシソンヌさんですが、“川嶋佳子”さんの代表的なコントはありますか?

結構、佳子さんって決めずにやっているネタも多いんですよね。でも<仕立て屋>というコントは佳子さんをイメージしてつくったネタですね。顔にホクロがある時は佳子さんかなって思ってるので、ホクロがあるか無いかで佳子さんかどうかって見てもらえたらなと(笑)

―佳子さん以外で名前のついている女性キャラクターはいますか?

フルネームで年齢とか細かい設定まで決めてるキャラクターは佳子さんくらいですね。

―この“川嶋佳子”さんは誰かモデルにしてる人がいるのですか?

よく聞かれるんですけど、モデルにしてる人はいないんですよね。

―女性が共感できる細かい部分も描かれていますが、どうしてそんなに女性の気持ちがわかるのですか?

なんなんですかね、自分でもわかんないんですよね(笑)

―個人的に特に気になったのが9月29日(火)の日記なのですが、
「信号がまだ変わらないうちからつま先に体重が乗ってる時間が嫌い。
急ぐことなんてないの。
そう自分に言い聞かせて重心を戻す。」
ヒールを履く女性だったり働く女性の心情がうまく表現されているなぁと思いました。つま先にかかる重みまでわかるのですね。

なんでですかね(笑)想像力がもう行き過ぎてるんじゃないですかね(笑)
そこに関しては自分でもほんとわからないんですよね。コントではヒール履いたりはしてますけど、別に男が好きとかそういうのは一切無いですからね(笑)
普段からネタを作るときに、こういう人の設定だったらどう見えるんだろうとかは、いつもすごい想像しているので、たぶん佳子さんもそういう感じで想像できてるんじゃないかなと思います。

―この日記の中でお気に入りはありますか?

ビンゴ大会のやつがすごい好きなんですよね。12月28日(金)の日記。
会社の忘年会でビンゴ大会があって、一番最初に揃ったけど恥ずかしくて言えなかったっていうやつですね。
だから結局言えないで終わってるんですよね。誰よりも先に揃ってたはずなのに(笑)

―佳子さんってそういうのを引き寄せちゃう人ですよね。

そうですね(笑)。
あと、会社の後輩の若林ちゃんと公園で休憩してた時に、横で練習してる劇団員の台詞のやりとりを若林ちゃんがマネして交ざるっていうのが好きなんですけど。これ伝わってるのかなぁ(笑)
あと、若林ちゃんが会社で椅子に座ったままできるストレッチあるよって言ってやって椅子を壊したっていうところとか、僕はすごい好きですね(笑)

―若林ちゃん推しですね(笑)

ははははは本当だ(笑)まぁ人によってお気に入りポイントは違うと思うんでね、それぞれのお気に入りも見つけてもらえたらうれしいですね。
たまにインスタとかで“何月何日の日記が好き”って書いてあるのを見て、いつのだろうと思って本で探すと、こんなところが好きなのかぁとか思ったりしますからね。

―今回の出版で大変なことはありましたか?

再編集にあたって何回ももう書き直すんで、頭から何回も読みました。ちょっとした言葉の使い方とか、句読点の位置とか、意味がわからない部分は丸々カットしたり、違うのに変えたり。

―たしかに、携帯は横書きですが、本は縦書きですよね。

そうなんですよね、縦書きにしたらだいぶ印象が変わったので、改行のところとか結構細かく直しました。
ケータイよしもとで載せていた文章をそのまま本に落としてるわけじゃないんでね。結構こだわりましたね。

―表紙も素敵ですが、表紙に描かれているイラストは佳子さんですか?

表紙は、この作品をイメージして描いてもらった感じです。これが佳子さんなのかどうかはみなさんのご想像とご判断にお任せします(笑)

―異性として佳子さんを見たら?

どうなんですかねぇ、実際こういう中身の人、めんどくさいのかなぁ。でも大人な女性だとは思いますね。
まぁ美人だったら問題ないと思いますけどね(笑)

―この本をどんな人に読んでもらいたいですか?

たくさんの人に読んでもらいたいですが、佳子さんと同じくらいの世代の人に読んでもらってどう思うかというのはすごい知りたいですね。40代半ばから後半くらいの女性で、結婚してなくてお子さんもいなくて、という人が読んだ時にどう思うのか。

―この本を読むのにオススメのシチュエーションは?

夜寝る前に布団の中で1人で読んでもらえたらなと。たぶん読もうと思えば2時間くらいで読めちゃうと思います。

―相方の長谷川さんはこの本について何か言っていたりしますか?

前にインターネット・ラジオ番組の中で「もちろん買うよ!」とは言ってくれてましたけど、そのあと別に何も言ってこないんで実際に買ったかとか読んだかとかはわかんないです(笑)

―別の機会があったら長谷川さんにも川嶋佳子さんについてインタビューしてみたいです。

お願いします(笑)

―現在ケータイよしもとでの連載が一旦終了していますが、なにか終了した理由が?

月に1回、1カ月分の原稿を出してたんですけど、単純にそれがしんどくなっちゃったからだと思います(笑)
1日1個考えればいいんですけど、僕めんどくさがりなんで、締め切りの日に30個全部考えて書くみたいなやり方をしてたんでヒーヒー言いながらやってました(笑)

―ケータイよしもとの佳子さんの連載ページを今見ると、“自分探しの旅で見失った自分を探すためにしばらく旅に出る”と書かれていたのですが。

自分探しで自分見失っちゃったんですね(笑)

―そんな佳子さんへ一言アドバイスするとしたら?

それも佳子さんなんですよ、いいんですよ。

―お2人のその感じ、素敵ですね。

―じろうさんにとって川嶋佳子さんとはどんな存在ですか?

一心同体みたいな感覚ですね。

―“川嶋佳子”の魅力とは?

あとがきにも書いてはいるんですけど、自分の身に起こる不幸を不幸だと思わないというか、それを楽しむというか。もう起きちゃったことは仕方ないじゃないっていうところですかね。
かと言って“ポジティブ”という言葉は似合わないんですよね。自分に舞い降りる不幸に意味を持たせるというところが佳子さんのいいところですね。

―タワーレコードには「NO MUSIC,NO LIFE.」というフレーズがありまして、これは“音楽があると普段の生活がちょっと豊かになる”という意味があるのですが、川嶋佳子さんにとっての「NO ○○, NO LIFE.」の○○には何が当てはまると思いますか?

やっぱり不幸が似合うというか、そういうのがあってこその方なので、「NO BAD LUCK, NO LIFE.」ですね。

―最後にみなさんへメッセージをお願いします。

ボサノバをバックに読んでみてはいかがでしょうか(笑)

―(笑)じろうさん、ありがとうございました!!

シソンヌの初冠番組「ぶちぶちシソンヌ」が放送中の広島のファンへ向けてのメッセージなどを書いていただきました。
直筆コメントは、タワーレコード広島店、新宿店、渋谷店にて展開中です。
『甘いお酒でうがい』は、全国のタワーレコードでもご購入できますので、詳しくは店舗スタッフまでお尋ねください。
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甘いお酒でうがい/川嶋佳子

【担当こぼれ話】
インタビューの日、「おはようございます」と登場したじろうさんの手には黄色いタワレコの袋が!気になる中身は…人間椅子の新譜でした!!
ツイッターなどで人間椅子のTシャツを着ているのをお見かけしていましたが、新譜の入荷日に買われるとは!さらに後日、タワレコ新宿店で実施していた人間椅子の楽器展示も見に行かれたようで。(タワレコのご利用もありがとうございます!!)
個人的にシソンヌと人間椅子の世界観は通ずる部分があると思っているので、いつかじろうさんと和嶋さんの対談が見れたらなぁと。2人とも同じ青森県弘前出身ですし。勝手に期待してます!
シソンヌとしては、2016年7月14日~18日に彼らがひとつの目標としていた下北沢・本多劇場での単独ライブも控えていますので、今後の活動も目が離せません!

Text:Yuko Hatano

カテゴリ : ニューリリース | タグ : お笑い/バラエティ

掲載: 2016年02月19日 15:50

更新: 2016年03月07日 12:34