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超驚愕の発掘音源!1968年、ビル・エヴァンス 幻のスタジオ録音

Bill Evans

正真正銘!超驚愕の発掘音源!!ビル・エヴァンスの幻のスタジオ録音が、今、陽の目を見ます。

 

 

しかも、メンバーは、エディ・ゴメスにジャック・デジョネットというトリオ。つまり、ビル・エヴァンスの数ある作品の中でも人気が高く、グラミー賞を受賞した(最優秀ソロイスト賞)、あのジャズ史上の名盤『モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』と同メンバーのトリオ。このトリオは活動期間が6ヵ月しかなく、今まで、モントルーの音源が唯一の公式録音。それ以外でも数曲しか聴くことができませんでしたが、本録音は、モントルーでのパフォーマンスの5日後の演奏をたっぷり記録。しかも、スタジオ録音ですから、本当に驚きです。

発掘者は、Resonanceで数々の話題盤を形にしているゼヴ・フェルドマン。フェルドマン氏は当然自らもマニアで、歩く事典のような人物。その彼もこの音源の情報を聴いた時は、腰を抜かすような衝撃だったとのこと。もちろん、世界中の関係者にとっても、驚嘆の記録で、つまりは、ビル・エヴァンスの歴史の一頁が書きかえられるという類のものともいえます。

その音源は、〈MPS のスタジオでの一日の記録〉。当時のエヴァンスはVerveと契約があったため発売の権利を得ることができず、誰の目にも触れられることなく、ひっそりと、そのままお蔵入りしてしまったわけですが、そもそも、ビル・エヴァンスは生涯通して、スタジオ録音自体も、決して多くないアーティスト。あの情熱に満ちたライヴの後に、3人で、スタジオに入っていた、という事実だけでも、ジャズ・ファンの心をくすぐってあまりあります。しかも、音源はたっぷり2枚。18曲21テイクの演奏が収録されています。

1962年『Moonbeams』で初演されて以来、コンサートでは毎回のようにフィーチャーされたエヴァンスの至高のワルツ曲〈VeryEarly〉を始め、晩年まで数多く演奏され、アルバムタイトルともなった名曲〈Turn Out The Stars〉といった楽曲も収録。

そして… 1枚目のラストには、名盤中の名盤『Waltz for Debby』(61年)にも収録され数限りないジャズ・ファンの心をつかんだ名曲〈Some Other Time〉 の至高の演奏を収録!!!。この〈Some Other Time〉 のイントロはもともと〈Peace, Piece〉 のメロディを、エヴァンスがマイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』に参加した時に、〈Flamenco Skeches〉のイントロとして用いたことでも知られるジャズ史上屈指の美イントロですが、本作での演奏は、『Waltz for Debby』『Kind of Blue』の演奏と並ぶものと言って過言無し。言葉をいくつ並べても表現しようのない至高のピアノ、メロディに寄り添いながら音空間を拡張するベース、若き日の驚くようなディジョネットのブラッシ・ワークの美しさ。静謐かつ、ある種の厳かささえも漂うこの曲のスタジオ録音が聴けることは本当に奇跡です。

一方、本作では、ビル・エヴァンスにとって珍しい楽曲も演奏。サイドメンとしての演奏を除いては極めて稀な〈I'll Remember April〉や、同じく本録音以外ではあまり聴くことができない〈These Foolish Things〉 をエディ・ゴメスとの豊かな会話で披露。一方、CD2-M5の〈What Kind Of Fool Am I〉では、ビル・エヴァンスとしては、極めて珍しいユニークなエンディングも収録されています。

6ヵ月という非常に短い活動を経て、エヴァンスは、この後マーティ・モレルをメンバーに迎えた第2期トリオを結成。本トリオはある種の過渡期にもありますが、この作品の登場によって、エヴァンスが、この時期、即興的な演奏の拡張を模索し、パッション溢れる演奏を繰り広げるきっかけを得たことも明らかになります。特にCD2には、美しく、かつ即興のさらなる可能性を感じさせる、トリオの面白さが際立ちます。

ライナーに掲載された情報によれば、1980年エヴァンスが亡くなったその年、共同制作者、ヨアヒム・E. ベーレントもハンス・ゲオルグ・ブルナー=シュワーにかけ合い、82年のリリースを目指しながら、実現されなかったとのこと。

21世紀のジャズ界の事件とも言うべき、作品の登場!68年の劇的なドラマが、今50年近くを経て明らかになります!!!!

タグ : ジャズ復刻&発掘 ジャズ・ピアノ リイシュー

掲載: 2016年02月24日 19:22

更新: 2021年01月07日 15:00