ポスト・クラシカル・シーンの次世代アーティスト、イリヤ・ベシェヴリ
現在23歳、シベリアのクラスノヤルクス生まれの若きピアニスト、イリヤ・ベシェヴリは、父親が作曲家、母親が音楽学者という音楽一家に生まれ育った。しかし子供の頃は音楽の勉強が嫌いで、友達が外で遊んでいる間、自分はピアノに向き合わなければいけないことに悪戦苦闘していたという。しかし、彼が21歳の時、祖母の働く保育園で運命的に再びピアノに興味を持ち、演奏を再開。現在は音楽大学で学んでいる。
2012年のファースト・アルバム『Night Forest』から約4年、ライアン・ティーグやキース・ケニフらの良質な作品をリリースしてきた英Village Greenレーベルと契約し、セカンド・アルバムとなる本作『Wanderer』をリリース。イリヤが現在住むモスクワのめまぐるしく変化する都会の生活の喧噪、また、それらからの一時的な現実逃避とのコントラストをモチーフに制作されたという本アルバム。テンポや質感をドラマチックに変化させながらも、一転してセイレーンの歌声よりも穏やかな展開をみせるなど、非常に優雅な演奏テクニックと異なる雰囲気や質感を編み合わせる卓越したセンスで聴くものの心を捉えて離さない美しいコンポジション。またバックを務めるImperialis Orchestraの素晴らしいストリングスがより一層深い色彩を加えている。
実際にイリヤも影響を受けている音楽家、ヤン・ティルセンやルドヴィコ・エイナウディらと比較される彼のサウンドだが、ヨーロッパのピアニストたちとは違う、シベリア出身という独自の特徴が美しさと気品を湛える叙事詩のようなメロディーラインに現れている。ヤン・ティルセン、ニルス・フラーム、ダスティン・オハロランに続く、ポスト・クラシカル/モダン・クラシカル・シーンの次世代アーティストとして大注目の才能。
日本流通盤特典として、Ryan Teague、Simian Mobile Disco、PalmbomenのリミックスDLクーポン付き。
タグ : ポスト・クラシカル
掲載: 2016年05月27日 18:43