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1人宅録オーケストラ=ダイレクターサウンド、大注目の6作目

Directorsound

 

ザ・パステルズのGeographicや、Second Language、Tona Serenadなどのレーベルからリソロ・アルバムや、伝説の英国アシッドフォークシンガー=マーク・フライとのコラボレーションを発表してきたダイレクターサウンドことイギリス人マルチ奏者ニコラス・パーマー。2014年の夏、パーマーはストックホルムを訪れ、『Datum』『Drape Me in Velvet』『A Cosmic Serenade』等のアルバムがロングセラーを記録しているスウェーデンの音の魔術師、ミュゼットことヨエル・ダネルたちと一緒にレコーディングを行なった。
 
パーマーは彼らと共にもっぱら60年代初頭のジャズや、50年~60年代のイタリアやフランスの映画とそのサウンドトラックに没頭し、ダイレクターサウンド史上最もロマンティックな楽曲を作曲しようとしていた。エンリオ・モリコーネ、ビル・エヴァンス、アントニオ・カルロス・ジョビン、マーティン・デニーたちから受けた影響を昇華させて、彼ら全員の共通の好きなもの:トロピカル・ミュージック、クール・ジャズ、ロマンティックなメロディーを融合しようとしていたという。

レコーディングはストックホルムにあるヨエル・ダネルのアナログ機材のスタジオで3日間行なわれた。ピアノ、スパニッシュ・ギター、アコーディオン、ヴィブラフォン、マリンバ、ウクレレなどなど、数多くの楽器を演奏する1人オーケストラのパーマーを、ダネルはダブルベース、また、スタン・ゲッツやベン・ウェブスターを彷彿させるロマンチックなサウンドを奏でるジャズ・サキソフォニストGustav Radstromや、トロピカルなものに取り付かれているというラップスティール奏者Anders af Klintbergたちがバックアップし、息の合ったアンサンブルを繰り広げている。

ジャズ、エキゾチカ、ミュゼット、モダン・クラシカル、映画音楽などのエッセンスを絶妙に溶け合わせた七色のインスト・サウンドは、まるで60年代のビーチ・パーティや、グランドピアノの上で月明かりを浴びるカクテル・グラスのサウンドトラックのように、郷愁感とスウィートでドリーミーなロマンチシズム溢れる音世界を提示している。

 

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掲載: 2016年07月11日 15:45