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アンビエント・ミュージックの新境地!Chihei Hatakeyama新作『Coastal Railroads In Memories』

Chihei Hatakeyama

 

いくつもの淡いサウンドスケープが、波のように果てしなく漂うアンビエントミュージックの新境地!

今作は追憶の中の原風景からインスパイアされた牧歌的で詩的な作品集となっていてそれは、車窓からみえる海の景色をテーマにしている。どこまでも続いて行く線路はかつては文明の象徴であり、古きブルース時代のミュージシャンはそこに自由への道を夢みたものだった、もしくは辛い現実からの逃走とでもいうべきものかもしれない。

今作では、淡い記憶というものをサウンドで表すために、生楽器の音色にローファイな変調を加え、ピアノ、エレクトリックギター、ヴィブラフォン、ヴォイスなどの演奏をアナログ・ミキサーによってミックスした。DAWでいくらでもミックスできてしまう事によって失われてしまった音楽のダイナミズムといったものへの回帰ともいえる。

いくつもの淡いサウンドスケープが重層的でメロディアスなドローンのレイヤーとして折り重なり、いつしか郷愁の地へたどり着くという感動の超傑作が誕生。

アートワークの写真はChihei Hatakeyamaは自ら日本中を旅して撮影。灼熱の太陽の中渾身の一枚を撮影した。

【本人コメント】
アンビエントミュージックとブルースの共通点というのはほとんどないに等しいかもしれないが、この作品ではあこがれの地への郷愁といった淡い詩的な感情が共通点になっているように思う。今回の作品ではいつものストイックでピュアなドローンというよりも初期の作風に若干回帰している。それはモジュラーシンセの導入や、エレクトリックギターの奏法の回帰などいくつかの条件が重なった事が要因だ。写真については、ごく私的な事だが、古代の日本人もこのようにして、カヌーのような小舟で大陸からこの地に渡ってきたのではないかと思ってこのような写真を選択した。この人の行く先はどこなのだろうか。そのような事も想像して聞いてもらえると幸いです。

掲載: 2016年10月06日 09:51