サンダーからハートウォーミングなクリスマス・アルバムが登場
1990年にアルバム『バックストリート・シンフォニー』でデビューして以来、サンダーはブリティッシュ・ロックの良心であり続けてきた。彼らの独自性は、レッド・ツェッペリン、フリー、バッド・カンパニー、フェイセズ、ザ・フーなどのブリティッシュ・ロック黄金時代のバンドの魂を現代的メタル・フレイバーで包み込んだところにある。何度か活動休止はあったものの、これまでに11枚のスタジオ・アルバムを発表してきた。復活作となった2015年の『ワンダー・デイズ』は全英ナショナル・チャートで20年ぶりのトップ10入りを果たし、1万2千人収容のウェンブリー・アリーナ公演を含むツアーも大成功を収め、最新作『リップ・イット・アップ』(2017年)では見事、全英チャート最高3位を記録した。この勢いに乗ってリリースされるのが『Christmas Day』である。デビュー以来、彼らはいつの時代でも優れたバラード曲を届けてくれた。本作EP『Christmas Day』は、バラードの傑作が詰まったサンダーからのハートフルなプレゼントだ。表題曲「Christmas Day」は、ルーク・モーリーのメランコリックなアコースティック・ギターが心地よく響く、これからの季節にピッタリの心温まる楽曲。時代を超越してクリスマスの定番ソングになると思わせるほどの出色の出来栄えだ。「Love Walked In」は1990年リリースの1stアルバム『バックストリート・シンフォニー』に収録されたバラードの傑作で2017年バージョン。よりシンプルで魅力的なアレンジに生まれ変わった。「Low Life In High Places」は1992年作『ラフィング・オン・ジャッジメント・デイ』収録曲で、当時シングル・カットされてヒットした日本でもお馴染みの曲。オリジナルとはまた違ったアコースティック・バージョンであり、胸に沁みるメロディをより際立たせている。そして「ハートブレイク・ハリケーン」は現時点での最新作『リップ・イット・アップ』(2017年)収録曲。これまた劇的なバラードである。ダニー・ボウズのソウルフルでエモーショナルな歌声は変わらず、いずれもサンダーのクラシック曲が見事にフレッシュに生まれ変わっている。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2017年11月06日 13:35