知性派古楽奏者スホーンデルヴィルトによる新しいモーツァルトの“レクエイム”
古楽大国オランダが生んだ知性派フォルテピアノ奏者アルテュール・スホーンデルヴィルト。「1パート1人」という編成で衝撃を与えたベートーヴェンのピアノ協奏曲集、そして研究の成果が結実したモーツァルトのピアノ協奏曲集、さらにはモーツァルトのピアノ・ソナタ全曲を3つの異なる時代楽器で演奏したアルバムなど、歴史的研究に裏付けされた斬新かつ刺激的な演奏で、聴くものの興味を引きつけてやみません。
そのスホーンデルヴィルトがまたしても驚きのアルバムをリリースしました。1791年モーツァルト最後の年は非常に大作が続々と生まれました。「魔笛」「皇帝ティトの慈悲」「クラリネット協奏曲」そしてこの「レクエイム」です。モーツァルト自身はレクイエムを完成することは出来ませんでしたが、弟子のジュスマイヤーが補筆完成。しかし後世ジュスマイヤーの補作に異論を唱える声が多く上がり、様々な人がこの大作の再構築を試みていますが、スホーンデルヴィルトは1800年前後、モーツァルトの死から間もない時期にウィーンで演奏されていたであろう楽譜を想定して録音されました。モーツァルトが作曲していない典礼文はグレゴリオ聖歌、さらにスホーンデルヴィルト自身が作曲した“アーメン”、そしてリッター・イグナーツ・フォン・ザイフリート作曲の“リベラ・メ” の2曲の世界初録音を含んだ形で「レクイエム・ミサ」として完成させました。
演奏は、スヴェーリンクの声楽作品のスペシャリストとして名高いジェズアルド・コンソート・アムステルダム、そしてスホーンデルヴィルト率いる古楽アンサンブル、クリストフォリという万全の布陣です。
(キングインターナショナル)
【曲目】
モーツァルト:レクイエム ニ短調K.626(レクイエム・ミサ)
(ジュスマイヤー、アイブラー、フレイステトラー、シュタードラー、スホーンデルヴィルト、ザイフリートによる補作及びグレゴリオ聖歌の典礼文)
入祭唱
1. 永遠の安息を
2. 憐れみの賛歌
3. 朗読(グレゴリオ聖歌)
続唱
4. 怒りの日
5. 不思議なラッパの音
6. 恐るべき御稜威の王
7. 思い出したまえ
8. 呪われ退けられし者達が
9. 涙の日
10.アーメン(スホーンデルヴィルト作)*
11. 福音書朗読(グレゴリオ聖歌)
奉献文
12. 主イエス
13. 賛美の生け贄
14. 序唱(グレゴリオ聖歌)
聖なるかな
15. 聖なるかな
16. 祝福された者
17. 神の小羊
聖体拝領唱
18. 永遠の光
赦免
19. 祈祷文(グレゴリオ聖歌)
20. 我を救いたまえ(リベラ・メ)
( リッター・イグナーツ・フォン・ザイフリート作)*
21.安らかに眠れ(グレゴリオ聖歌)
* 世界初録音
【演奏】
アルテュール・スホーンデルヴィルト(指揮)
ジェズアルド・コンソート・アムステルダム
クリストフォリ
【録音】
2017年5月、ブザンソン
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2017年12月20日 00:00